園児虐待事件で3人の元保育士を送検 裾野市長は園長を犯人隠避の疑いで刑事告発 静岡・裾野市
伊地健治アナウンサー:
「保育士の逮捕から一夜明けた保育園。開園時間を過ぎても子どもたちの姿はなく、臨時休園。門は固く閉ざされている。先ほど8時前には20人ほどの保育士とみられる職員が建物へ、皆一様に表情硬く、中には涙を見せる人もいる」
裾野市の私立「さくら保育園」で保育士が1歳の園児に虐待を繰り返していた問題。4日保育士の女3人が逮捕される事態へと発展しました。
成田幸正カメラマン:
「午前8時すぎです。裾野市のさくら保育園に県警の捜査員20人ほどが裾野市のさくら保育園に家宅捜索に入ります」
暴行の疑いで逮捕・送検されたのは当時1歳児クラスを担当していて、いずれも現在は無職の3人の元保育士です。
警察によりますと、A容疑者は6月1日、園児の顔を押す暴行を、B容疑者は6月27日に園児の両足をつかみ、宙づりにする暴行を、C容疑者は6月10日に園児の頭を殴る暴行をした疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、3人ともおおむね容疑を認めているということです。
3人の元保育士を知る保護者らは
3人を知る保護者は…。
保護者①:
「そういう先生だったんだとすごくショックを受けている。裏切られた気持ちがあるので、園長先生にも優しくしてもらっていたので、ショックです。事実をとにかくすべて話してほしい」
保護者②:
Q.A容疑者はどんな印象?
「私やうちの娘にもすごくいい感じで、土曜日保育でもお願いしますと言っても、気さくに話してくれる先生でした」
Q.B容疑者はどんな印象?
「大好きでした、大好きです。本当に大事にしてもらったし、うちの娘にも手作りのフォトフレームみたいなものを作ってくれたので」
Q.子どもに暴行を加えるのは信じられない?
「そうですね、信じられないです」
A容疑者の近所に住む住民は…。
保護者③:
「(A容疑者は)ほとんど近所付き合いがない。愛想があるほうではなかった。幼稚園に通う子どもを持つ親としてありえない。保育士も悪いけど園の体制も良くない」
4日警察は園を含む関係先を家宅捜索し、捜査関係者によれば、園では複数の虐待事案が確認されている1歳児クラスを中心にすべての教室で現場検証を行ったということです。
裾野市や園によりますと、逮捕された3人はその他にも複数の園児に対し、カッターナイフを見せて脅したり、倉庫に閉じ込めたりするなど、少なくとも15の虐待行為をしていたことが明らかになっています。
3人は園の聞き取りに対して、「しつけのつもりだった」などと話していたということです。
裾野市によりますと、さくら保育園は6日から受け入れを再開する予定ですが、これまでに転園を希望する問い合わせが10件ほど寄せられているということです。
ただ、園に子どもを預ける保護者からはこんな声も…。
保護者:
「率直に問題が起きたことに対してはすごくつらいし、やってしまった先生方が罰を受けるのは当然だと思いますけど、すごく保育園が大好きなんですよね。そういう保護者や子どもがすごくいるのも事実で保護者には混乱が起きている状況」
裾野市は
警察が強制捜査に乗り出した一方で、行政の対応にも動きがありました。
県と裾野市は3日、さくら保育園に特別指導監査に入りました。
櫻井利彦園長に聞き取りを行ったほか、関係書類を確認するなどしたということです。
市によりますと、保育士による虐待が確認されたあと、櫻井園長は口止めとも受け止められる誓約書を職員全員に書かせていました。
白鳥衛記者:
「午前10時です。裾野市の村田悠市長が櫻井利彦園長を犯人隠避の疑いで刑事告発するため裾野警察署へ入っていきます」
5日裾野市の村田市長は、櫻井園長を犯人隠避の疑いで刑事告発しました。今後、警察が告発を受理すれば、園長への捜査も始まることになります。
裾野市 村田悠市長 裾野市役所 :
「本件は保育士3名だけの問題ではなく、園の責任者であるにも関わらず、保育士に対し誓約書を書かせるなど、意図的に隠ぺいを図ろうとした園長の対応も悪質でありました。この対応は罪を犯した者を故意に隠して逮捕を妨げた罪、犯人隠避罪に当たるのではないかと考えております市長として今後捜査が行われることを強く望んでいます」