浜岡原発データ不正問題…再稼働審査『白紙』に 中電社長は『謝罪行脚』も地元市長からは怒りの声 一方「再稼働」待つ市民も

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中部電力 林欣吾社長(名古屋市 5日):「当社の原子力事業に対する信頼を失墜させ、事業の根幹を揺るがしかねない事案であると、極めて深刻に受け止めております。心より深くお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」

 御前崎市にある、中部電力の浜岡原子力発電所。再稼働に向けた審査において、データの不正利用問題が明らかになりました。

伊地健治アナウンサー(15日):「私の後ろに見えるのが御前崎市にある浜岡原発です。全ての原子炉が停止して今年で15年。1号機・2号機は廃炉作業が進み、3号機・4号機が再稼働を目指してきた中でおきたデータ不正問題。その影響は計り知れません」

 今回明らかになったのは、再稼働を目指す浜岡原発3・4号機をめぐる問題です。耐震設計の目安になる「基準地震動」について、原子力規制委員会への説明とは異なり、揺れを過小評価するデータを“意図的”に選んでいたといいます。

原子力規制委「失望」「審査継続は不可能」

 政府も「信頼の確保は大前提」だと、懸念を示しました。

木原稔官房長官(総理官邸 6日):「すべての原子力発電所に義務づけられている地震動の策定が、正しい評価に基づくものであることは極めて重要であります。安全性に対する国民の信頼を揺るがしかねないものであり、あってはならないことと認識しています」

浜岡原発データ不正問題…再稼働審査『白紙』に 中電社長は『謝罪行脚』も地元市長からは怒りの声 一方「再稼働」待つ市民も

 中部電力は外部の専門家だけで構成する第三者委員会を設置し、原因の調査や再発防止策の検討を行うとしています。しかし原子力規制委員からは、厳しい指摘が相次ぎました。

原子力規制委 山岡耕春委員(原子力規制庁 7日):「研究不正に例えると、ねつ造または改ざんにあたるものかなと。非常に大きな失望を感じたというところが正直なところです」

原子力規制委 杉山智之委員(原子力規制庁 7日):「こういう不正行為があると、全てを台無しにしてしまう。(中電の申請で)どこが信用できて、どこが信用できないかが分からない。その状態で審査継続は不可能です」

浜岡原発データ不正問題…再稼働審査『白紙』に 中電社長は『謝罪行脚』も地元市長からは怒りの声 一方「再稼働」待つ市民も

 データの不正は遅くとも2018年頃から行われていたとみられ、原子力規制委員会に対しても、実際とは異なる説明をしていたということです。会合では、すでに停止されている審査について、継続は「困難」との意見で一致しました。

原子力規制委員会 山中伸介委員長(原子力規制庁 7日):「これ前代未聞の事案ですので、相当厳しい対応になろうかと想像しております。全く白紙になろうかと考えています」

Q.白紙なのは今回の不正に関わるものからか、申請のやり直しから求めていくのか?
A.「審査そのものをやり直していく必要があろうかと思います」

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再稼働審査は『白紙』

 今回の不祥事を受け、中部電力の経営トップが謝罪をしました。

中部電力 林欣吾社長(名古屋市 5日):「心より深くお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」

静岡・牧之原市 杉本基久雄市長(牧之原市役所 14日):「本当に由々しき事態」

 中部電力は担当部署の数人が関与していたと説明していて、“組織体質”も問われる事態となっています。

原子力規制委員会 山中伸介委員長(原子力規制庁 7日):「これは中部電力前者の問題という認識でおります」

 14日に開かれた原子力規制委員会では、再稼働に向けた審査を“白紙”にすることを正式に決定。名古屋市にある中部電力本店に1月中には立ち入り検査を行うことも決まりました。

原子力規制委 長﨑晋也委員:「どこまで我々は中部電力を信用していいのかというのは当然ありますので、その点をしっかりと留意しながら進めていただければと思います」

原子力規制委 山岡耕春委員:「技術的な観点から言うと、今回どの程度過小評価になったかということもぜひ明らかにしていただきたい」

 また、中部電力に対して、原子炉等規制法に基づく「報告徴収命令」を出し、不正が起きた原因や経緯、再発防止策などについて、報告を命じました。

原子力規制委員会 山中伸介委員長:「やはり、これは中部電力全体の問題だと私自身は考えておりますので、全社的に徹底的に検査をするように指示したところでございます」

地元市長は「これまで築いてきた信頼関係を覆す」

 同じ日、浜岡原発の周辺自治体では…。

中部電力 豊田哲也原子力本部長(牧之原市役所 14日):「地域の皆様に多大なるご心配ご不安をお掛けしましたことを、本当に心よりお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした」

 牧之原市長に謝罪したのは、中部電力の原子力部門のトップです。

牧之原市 杉本基久雄市長:「これまで築いてきた信頼関係を覆す、本当に由々しき事態。安心安全をしっかり担保していただかないと困りますし、市民も大きく不安を抱えております」

 浜岡原発がある御前崎市に隣接する、牧之原市。事前に避難計画を作成する必要がある5キロ圏内には、およそ1万1000人が暮らしています。

牧之原市 杉本基久雄市長:「信頼性が失墜しているので、事業者の説明だけでは全く理解・納得できるものではないと思っている。誠意をしっかりと示してもらうのが重要だと思う」

不正の背景に「プレッシャー」?

 原因について、この日中部電力は…。

中部電力 豊田哲也原子力本部長:「聞き取りの中では、やはりそういったプレッシャーがあったのではないかといったところは確認されておりますが、こちらは第三者委員会の方で確認してまいります」

 「プレッシャー」という言葉に対して杉本市長は…。

牧之原市 杉本基久雄市長:「相当、社内の上層部といいますか、早期に規制委員会の認可といいますか、許可を取るためにプレッシャーをかけられたのではないかと思いますので、そうした意味で、原子力部門に対して、どのような指示とか命令をしたとかというのも含めて確認したいと思っております」

浜岡原発データ不正問題…再稼働審査『白紙』に 中電社長は『謝罪行脚』も地元市長からは怒りの声 一方「再稼働」待つ市民も

 原子力規制委の対応方針が決まったことを受け、鈴木知事も取材に応じました。

静岡県 鈴木康友知事(静岡県庁 14日):「審査の前提条件が崩れたので、一度ストップして、もう一回見直すことは、まさに妥当なことだと思います。国としてしっかりやっていただきたいとに思います」

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中電社長は「謝罪行脚」

 中部電力は15日、今回のデータ不正問題に関して、林欣吾社長自らが周辺自治体をまわる「謝罪行脚」を行いました。

中部電力 林欣吾社長(御前崎市役所):「どうも申し訳ございませんでした」
中部電力 林欣吾社長(菊川市役所):「申し訳ございませんでした」
中部電力 林欣吾社長(牧之原市役所):「申し訳ございませんでした」
中部電力 林欣吾社長(掛川市役所):「申し訳ございませんでした」

 問題発覚後、初めて地元である御前崎市を訪れた林社長。

中部電力 林欣吾社長:「地元の皆様の信頼を失墜させるということは、原子力事業の根幹に関わる極めて深刻な事態だと受け止めております」

御前崎市 下村勝市長:「非常に深刻な事態である、また極めて遺憾であると考えております。どの程度現在の安全性に影響を与えているのかっていうことを知りたい」

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 御前崎市のあとは、周辺3つの市へ。トップたちからは…。

菊川市 長谷川寛彦市長:「これはもう本当に会社内の組織的な大きな問題があるのではないかと」

牧之原市 杉本喜久雄市長:「早急に第三者委員会含め、国も含め、今の原発が本当に大丈夫なのというのは検証してほしい」

掛川市 久保田崇市長:「なかなか再稼働まではたどり着かないんだろうというふうに思っております」

 謝罪行脚を終えた中部電力の林社長は…。

中部電力 林欣吾社長:「事実の解明と原因の究明、対策の構築、それとあわせて会社の風土、組織、意識等、全ての会社の解体的な再構築に向けて全力で取り組んでいくことが必要だと痛感いたしました」

浜岡原発データ不正問題…再稼働審査『白紙』に 中電社長は『謝罪行脚』も地元市長からは怒りの声 一方「再稼働」待つ市民も

市民は…

伊地アナ(御前崎市):「再稼働に向けた審査の最中に発覚した不正に関して、地元市民はどのように感じているのでしょうか?」

御前崎市民:「ちゃんと正しいことをやってほしいなと。遅い、謝罪するのが遅い」

御前崎市民:「中電の影響はここの地区にとっては相当大きいものだと思うので、再稼働できないとなるとそれなりの影響はあるかなと思う」

 浜岡原発にほど近い佐倉地区にある旅館に話を聞いてみると。

再稼働を心待ちにしていた市民もいるが…

旅館業の女性:「何が起こったかわかんないような。びっくりしました。とんでもない話だと思って」

 佐倉地区には、浜岡原発が稼働していた当時、作業員向けの宿が10軒以上軒を連ねていたといいます。今は数軒ほどになってしまいましたが、
残る経営者は再稼働を心待ちにしていました。

伊地アナ:「最初から原発の工事。多い時は何人ぐらい?」
旅館業の女性:「120人ぐらい。最近はもうほとんどお客さんが来ないから」
伊地アナ:「再稼働を楽しみにしている」
旅館業の女性:「とにかく稼働していただければ、それなりに頑張りたいと思います」

 こちらは大正時代から続く理髪店。多くの作業員の髪を切ってきました。

理髪店の男性:「大勢の人が入ってくると、我々の職業っていうのは、それで潤うというとおかしいが、みえていただく人は多かった。今回の問題はそんなこと超越したとんでもないことですもんね。再稼働できなくなる結果になっても仕方がないというわけではないが、ああそうだったのってこと」

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