手袋やガウン、マスク、人工透析に使うチューブまで…中東情勢の影響が医療現場にも… 医療資材の不足や値上がりも懸念
緊迫するイラン情勢を巡り、石油由来の医療資材が不足する懸念が出ています。静岡県内の病院では何が起きているのでしょうか?
11日午前、仲介国のパキスタンで実施される、アメリカとイランの停戦協議。
●アメリカ バンス副大統領:
「停戦はトランプ大統領の指導力の賜物です。イランは海峡の封鎖解除を約束していて、今週末から交渉に入ります」
一方、総理官邸ではけさ、中東情勢をめぐる関係閣僚会議が開かれました。高市総理は食品包装容器など、ナフサから作られる化学製品を例にあげ、重要物資の安定供給を実現するよう関係閣僚に指示しました。
国内の一部では、医療器具の滅菌に必要な重油などが不足するケースも…。
● 赤沢亮正経産大臣:
「石油流通円滑化のための直販制度の創設や医療分野のサプライチェーンの実態把握など議論を行いました」
●植田結衣子アナウンサー:
「中東情勢の緊迫化による影響が今後、医療の現場にも及ぶ可能性があるということで県内の病院では危機感が高まっています」
静岡市駿河区にある、静岡済生会(さいせいかい)総合病院。内科や外科をはじめ、救命救急も担う、地域の基幹病院です。
●静岡済生会総合病院 岡本好史 病院長:
「コロナ禍の時は色々なものの供給が止まり、しかも価格も高騰したわけですよね。それと同じような状況が今起こり得るんじゃないかとすごく心配しています」
●静岡済生会総合病院 用度課 正木竜二課長:
「こちらは病院で日々消耗するプラスチックのグローブやマスクなどの備蓄品が置いてある倉庫になります。石油由来なので、石油が入ってこなければ製造できない、つまりは病院におりてこないことになります」
手袋やガウン、マスク、さらには人工透析をはじめ治療に使われるチューブまで、医療資材は、石油製品ばかりです。こちらに備蓄されているのは、およそ1か月分。今後の調達について、メーカーからは出荷制限の可能性も通知されていて、燃料費の高騰を受けた、値上がりの話も来ているそうです。
●静岡済生会総合病院 用度課 正木竜二課長:
「手袋やマスクは患者を診察するごとに切り替えているので、それがないと医療従事者が診療ができない状況にもなってしまう可能性があります」
今年度からの診療報酬3%の引き上げも、イラン情勢を受けた、さらなる価格上昇に圧迫されてしまうと話します。
番組で話を聞くことができた県内の別のクリニックからは、プラスチック製の注射器が来月から値上げされるという話もありました。
●静岡済生会総合病院 岡本好史 病院長:
「診療報酬はどうしても公定価格で、価格転嫁ができません。我々病院の努力だけではどうにもならないので停戦合意に至ったという報道もありますけれども、これがしっかり履行されて、長期化しないようにお願いしたいというのが我々の思いです」