【詳報】難波副知事、東京でのリニア問題会見で受けた質問の中に「計画放棄されれば、静岡県は一番ハッピーか?」
「JR東海と静岡県は同じ基準に立っていない状況です」
「JR東海は県の意見は過大な要求と思っていると思う」
「静岡県はこれは最低限やってほしいものだと思っている」
2日、静岡県の難波副知事が、東京の日本記者クラブで会見を行いました。リニア工事にともなう「水問題」について、静岡県の対応を、全国のメディアに説明するためです。
リニアの開業が遅れるのは、県がトンネル工事を認めていない、いわゆる「静岡問題」のためだとされ、インターネット上には「静岡がすべての元凶」といった静岡を「悪者扱い」する書き込みも目立ちます。
さらに、ネットの世界だけではなく、大阪府知事も。
大阪府 吉村洋文知事(8月)
「国家戦略、国家事業を一知事が反対したら、まったく動かなくなるというのは、果たして国家のありかたとして正しいのかと」
記者からは厳しい質問も 「リニア計画放棄されれば一番ハッピーか」
そんな「悪者扱い」を払拭するため、難波副知事は、大井川の流量が減る恐れがある問題や、JR東海との議論や対話が進まない理由などを1時間以上にわたり説明しました。
出席した記者からは厳しい質問も。
記者
Q 「静岡だけが反対しているように受け止められるのはなぜ」
A 「他県の環境影響評価が適切であったかどうかは、我々が判断すべきことではないので、他県ではきっちり環境影響評価をやられていると思います」
Q 「静岡県の外から見ている人は、リニア新幹線の駅が(静岡に)ないことが、工事を認めない理由の一つとの見方もあるが?」
A 「何かのメリットがあれば、リスクを多少許容することはあると思います。ただ、それは一般論であって、今回のリニアの問題は、メリットデメリットを切り離して、水資源・自然環境に影響があるのか、それだけを議論するのが大事」
Q 「国策的工事に川勝知事が大手を振って待ったをかけている印象を持っている」
A 「(県とJR東海の議論の)根底に何があるのか、なかなか理解されていない」
Q 「リニア計画そのものが放棄されれば、静岡県としては一番ハッピーですか」
A 「水や自然環境への影響とは別問題。それをここで申し上げるべきではない」
県民は…
静岡県が「悪者扱い」されることについて県民は…。
静岡市民60代女性:「体をはって知事が阻止しようとしているのが分かります」
静岡市民70代男性:「愛知県、山梨県、長野県の人にとっても、静岡の8キロの区間で工事が止まっているということは、お前らのせいと思われてもしょうがない」
焼津市民20代男性:「気にしすぎかなと思います」
浜松市民40代女性:「県民としては、(悪者扱いは)さみしいことなので、 知事は県民を考えて動いてくれていると思う」
牧之原のお茶農家「もっと勉強してほしい」
北川彩アナ:
「牧之原市に来ています。リニア工事による大井川の水問題について、お茶農家はどのように感じているのでしょうか」
牧之原台地で「お茶」を栽培している柴本俊史さんは、県内では珍しい「釜炒り茶」や「紅茶」も製造しています。
「大井川の水は、欠かすことができない」という柴本さん、「静岡が悪者」という見方については…
茶農家 柴本俊史さん:「(静岡が)悪者になってるって思う人が、もうちょっと深く物事を考えたほうがいいと思う。全国的に批判されるようでしたら、もうちょっとリニア問題について勉強されたらと思う」
(10月3日放送)