市長「行政文書の黒塗り部分開示も可能」 百条委員会で盛り土が崩れた原因を解析 静岡・熱海市土石流災害
「伊豆山土石流災害に関する調査特別委員会」は市議15人全員が委員となり、伊豆山地域を流れる逢初川の上流部に造成された盛り土について調査を行っています。
9日の委員会には土地の区画整理事業や河川の設計などの事業を行う清水浩さんが出席。清水さんは盛り土の発災前と後を三次元データを用いて解析することや、航空写真から造成工事などで土地の形や質に変更があったかなどを調べています。9日の委員会では盛り土の崩れた原因や、崩落前の施工状況など清水さんの見解が議員に共有されました。
稲村千尋委員長:「45メートル、50メートルを超えた盛り土が大変問題だったが、それ以上に周辺の造成部分にもやはり、工事施工者の大変、深く関わっていて、そちらにも問題があった。業者や市や県・土地所有者に質問をしたいと方向で進めますので、きょうの清水先生の説明を受けまして、知識も広がりましたので説明を含めて質問事項が広がった」
また、前回の委員会では「関係人の出頭および証言を請求できること」などが確認されましたが、市の行政文書では個人名が黒塗りされているため、対象者を決められないことが課題になっていました。
8日開かれた11月定例会で、熱海市の斉藤栄市長は市の行政文書について「議会事務局内だけでの黒塗り部分の開示が条件であれば可能であると考えている」と述べています。
行政文書の黒塗り部分について市の開示時期は決まっていませんが、県の文章については次回、23日の百条委員会で開示についての議決が可決されれば県に開示請求をするということです。
被災者は委員会が進める原因究明に期待を寄せています。
自宅が全壊した太田滋さん:「きのう、議会では黒塗りの名前が出ていないので、そういうところもきんちと証人として呼んで、どういう背景があったのか私たちが最後の被害者になるようなかたちで」
土石流災害をめぐっては、6日に遺族5人が現在と前の土地所有者に対する殺人の疑いでの告訴状が正式に受理されています。