店頭に並ぶ「静岡産サーモン」一番の売りは「鮮度」 日本初の養殖場に静岡・小山町を選んだワケは『水』
イラン情勢の影響で高値が続く輸入サーモン。市場への出回りが減る中、注目されているのが国産のサーモンです。静岡県にある「日本初」の養殖場に潜入しました。
こちらは、千葉県にある鮮魚店。
店長:「国産のサーモンも来たよ~。静岡のサーモンね~」
威勢のいい声とともに並べられたのは、「静岡産」と表示された刺身用のサーモン。現在、日本で流通しているサーモンの8割以上は輸入品ですが、この店で扱われているのは、すべて国産品です。
石毛魚類千城台本店店長:「(イラン情勢で)やっぱり数が入ってこないから、仕入れるほうも結構大変ですよね」
2月上旬時点で、ノルウェー産のサーモンは100グラム429円で販売。しかし、イラン攻撃を境に、仕入れの量が減り、価格が高騰。店頭価格でこれまでの1.5倍となってしまうため、仕入れを断念したそうです。
石毛魚類千城台本店店長:「元々(国産は)高かったですよ。でも今は輸入のサーモンが超えてきちゃった感じです」
輸入サーモンの高騰によって、国産サーモンとの“逆転現象”が起きているといいます。千葉県の鮮魚店に並んでいた静岡産のサーモン。県内にある「日本初」の大規模養殖施設で養殖されたものでした。
古賀りなアナウンサー:「富士山が目の前にそびえる小山町の工業団地に来ています。あちらご覧ください。実はここ、「アトランティックサーモン」を育てている養殖場なんです。なぜ小山町でサーモンなのか。きょうはその秘密に迫ります」
こちらは、東京ドーム1.2個分=およそ5万7000平方メートルの敷地で、“サーモンの本場”、ノルウェーに本社を置く企業が手掛ける、国内最大級の養殖施設。
プロキシマーシーフード 柳澤海人品質コーディネーター
古賀アナ:「わー!小さいですね!かわいいですね、小さくて」
柳澤さん:「かわいいですよね。(水の)温度も気を付けている点の一つで、ここでは6℃を保っている」
小山町は「非常にきれいな富士山の地下水を使える」
淡水で育つサーモンの稚魚。重要なのが、徹底的な水の管理です。国内最大級の養殖施設を小山町に建設した理由も、この「水」にありました。
プロキシマーシーフード 柳澤海人品質コーディネーター:「小山町では非常にきれいな富士山の地下水を使える。稚魚もきれいな水を必要としているので、それも小山町を選んだ理由の一つ」
Q.「ふ化させるのに、きれいな水が必要だった?」
A.「その通りです」
小山町に決めるまで、およそ2年かけて日本中で建設場所を探したという“こだわりの水”で育てられているんです。続いては、出荷段階までサーモンを育てる「成魚棟」へ。
古賀アナ:「ものすごく広いですね、水槽の大きさがもうプール以上」
柳澤さん:「こちらの施設全体で110万尾のサーモンを養殖している」
古賀アナ:「110万、想像もつかないですね」
敷地面積の半分ほどを使い、直径18メートル、深さ5メートルもの、巨大な水槽が34個並びます。
古賀アナ:「すごいですよ!サケ!大量ですね! これでどれぐらいの数がいる?」
柳澤さん:「こちらの水槽でおよそ8000尾入っている。卵から大体2年かけて出荷まで来ているので、手間暇かけてつくったサーモン」
水槽の中に、カメラを入れると。まるまると太った、数えきれないほどのサーモンが。圧倒される迫力です。
プロキシマーシーフード 柳澤海人品質コーディネーター:「こちらの成魚棟では、約99%の水を循環している。このタンクからの水がバイオフィルターを通してきれいにして、こちらのタンクに戻ってくる循環式を採用している」
この養殖場の最大の特徴。それが、水の「閉鎖循環式システム」です。大量に水を引き込むコストが抑えられ、水流や水温、エサの量などは全てコンピューターで24時間管理。水はろ過した上で、職員が毎日水質を分析し、サーモンにストレスがかからない環境を整えています。
プロキシマーシーフード 柳澤海人品質コーディネーター:「(陸上養殖は)海と違って赤潮や気候の変化も受けない。水温や水質も管理できるので、病気のリスクも抑えながら年間を通して安定した品質で魚を生産することができる」
古賀アナが「食リポ」 そのお味は…
富士山の恵みを受けて、小山町で育つ、こだわりのサーモン。となれば、気になるのは…、その味です。
古賀アナ食レポ
「では…いただきます!……うーん!、脂がとろけます。甘みとコクはしっかりあるんですが、一切くどくないです。クセもなくてとても新鮮な香りが広がります。やっぱり鮮度が違いますね」
柳澤さん:「鮮度が一番の売りで、最短で当日出荷することも可能なので、非常に鮮度のいいサーモンを食べていただける」
水揚げから冷凍することなく届けられる、鮮度が売りの「フジアトランティックサーモン」。それを実現できるのは、国内で養殖しているからこそ。今年は去年の2倍以上となる3500トンの出荷を目指しています。
プロキシマーシーフード 星嶋倫徳執行役員:「まだ生産が始まったばかりで、食べたことがない方もいると思うので、まずは静岡県内どこに行ってもフジアトランティックサーモンが食べられるような環境にしていきたい」