袴田事件の再審開始を求める三者協議 検察側の法医学者ら証人尋問 東京高裁
袴田事件の再審開始を求める三者協議で、7月の弁護側の証人尋問に続き検察側の法医学者らの証人尋問が行われました。
袴田事件では事件の1年2ヵ月後に、みそ樽から犯人が着ていたとされる血液の付いた「5点の衣類」が見つかっていて、この血液の色をめぐり弁護団と検察の意見が食い違っています。
検察側はこれまでに、血液が長期間味噌に浸かると赤みが消えて黒褐色化するとする弁護側の主張に反論し、赤みが残る可能性があるとする反論書を提出していて、1日東京高裁では検察側の法医学者2人の証人尋問が行われました。
弁護側によりますと証人尋問で検察側の法医学者2人はいずれも、味噌の中で血液が黒褐色化していくメカニズムに対して異論はなかった一方で、このメカニズムが血痕にも当てはめられるのかという質問や、赤みが消える速度について発言があったということです。
また検察側が行っているみそ漬け実験について、血液の赤みが残るとする科学的な説明はなかったということです。
袴田事件弁護団
間光洋弁護士:「検察官実験から、1号タンクの中に仮に5点の衣類が1年入っていた時に赤みが残るんだということは言えないんだということは、裁判所にも伝わったと考えています」
5日には弁護側の物理化学者の証人尋問も予定されています。