再審無罪となった袴田巌さんの姉・ひで子さんが改めて検察官の抗告禁止を訴える 自民党の部会で再審制度を見直す法案が了承されたことを受け
自民党の部会で再審制度を見直す法案が了承されたことを受け、再審無罪となった袴田巌さんの姉・ひで子さんが改めて検察官の抗告禁止を訴えました。
紛糾した議論の末に、再審=裁判のやり直しを見直す刑事訴訟法の改正案を自民党が了承しました。
今の刑事訴訟法では、再審開始が決定されても、検察側が「抗告」と呼ばれる、不服申し立てを行うことが認められています。
改正案ではこの規定が削除され、不服申し立ては原則禁止となりました。
一方で、今後の国会審議などを通じて、修正が必要な点は残っているといった指摘も相次ぎました。
●宮下一郎衆院議員:
「証拠開示の在り方等々については、まだまだ不十分」
さらなる見直しを求める声が上がる「証拠開示」という手続き。再審を請求する側が裁判所に要求し、裁判所が検察側に開示を勧告すれば、これまで明らかにされていなかった証拠が示されるというものです。
1966年の袴田事件の場合、2010年に5点の衣類のカラー写真が新たに開示されたことで、再審無罪につながりました。ただ、今の刑事訴訟法には、証拠開示に関する明確なルールはありません。
改正案では証拠の開示が義務化されましたが、同時に、「目的外使用の禁止」も盛り込まれました。弁護士などが、再審請求の手続き以外の目的で証拠を公開すると、1年以下の拘禁刑か、50万円以下の罰金が科されることになります。
袴田事件の5点の衣類のカラー写真は、弁護団らの独自の“みそ漬け実験”を補強し、再審無罪へのきっかけとなりましたが、仮に、「目的外使用の禁止」があったとしたら、そうした展開も実現していなかった可能性があります。
14日取材に応じた袴田巌さんの姉・ひで子さんは…
●袴田ひで子さん(93):
「袴田でもそうだけど、証拠が出てきたでこそ無罪になったの。証拠が出なきゃ。巖だって今ごろ処刑されちゃってるかもしれないよ」
改正案はあすにも閣議決定され、国会に提出される見通しです。
●袴田ひで子さん(93):
「抗告は禁止させて、それでなければえん罪被害者は救われないの。巌はもちろんですが、あとに続くえん罪被害者って大勢いらっしゃる。そういう方たちに対しても道筋をつけて頑張っていかなきゃいかん」