検事総長談話は「無罪判決を尊重する義務に違反」…原告側が準備書面提出 「袴田さん犯人視」名誉棄損裁判・第2回口頭弁論
再審で無罪が確定した袴田巌さんが、検事総長に名誉を傷つけられたとして国を訴えた裁判で11日、原告側が準備書面を提出しました。
1966年、旧清水市で一家4人が殺害された事件で死刑判決を受けた袴田巌さんは、2024年の再審で無罪が言い渡され確定しています。
これについて検察のトップ畝本直美検事総長が、控訴断念時に発表した「控訴して上級審の判断を仰ぐべき」などとする談話が、袴田さんを犯人視し名誉毀損にあたるとして国に損害賠償550万円の支払いなどを求めています。
3月に行われた第1回口頭弁論で袴田さんの弁護団・小川秀世弁護士は、「畝本氏は無罪判決を汚し、袴田さんの名誉を毀損した」などと主張。一方、国側は談話について「控訴断念の経緯を説明したもので、袴田さんを犯人視したものではない」と主張し、請求の棄却を求め争う姿勢を示しました。
11日午前、静岡地裁で開かれた第2回口頭弁論で、原告側は2つの準備書面を提出。検事総長の談話には「袴田さんを犯人視した」とは明示されていませんが、これを聞いた一般人が袴田さんのことを犯人視していると感じたかどうかがテーマです。
1つは報道機関が談話に関する動画を公開した動画サイト「YouTube」に集まった一般人からの「談話が袴田さんを犯人視している」などとと指摘したコメントを証拠として提出しました。また、袴田さんは国家(裁判所)により無罪判決が言い渡され確定。この場合、国は無罪判決を尊重しなければならないのにも関わらず、国家公務員(国)が談話を発表し、判決を批判したとして確定無罪判決尊重義務違反に当たると反論する書面を提出しました。
裁判後、会見に臨んだ弁護団は…
袴田さん弁護団 小川秀世弁護士:「論理的には反論できないじゃないかと思うんですよね。だって、控訴をすると控訴してやらなきゃいけないとかっていうのに、やめたでしょ。それに対して反論は、私はとても考えつかない。もうこれで裁判所の争点はそこに絞ったということで、本当はもうこれで終結してもおかしくないぐらいの議論になってると思ってます」
次回の口頭弁論は8月6日に開かれます。