灯台マニアも感動… 美しさと強さを合わせ持つ海の守り神 静岡県の灯台めぐり第2弾 御前埼灯台
灯台マニア
不動まゆうさん:「鉄筋コンクリートの灯台として日本で一番最初の灯台なんです」
全国の多くの灯台のモデルになっていたり、嘆願書を書いて国に何卒ここに建ててくださいという清水港の発展を願う地元の人々の、熱い思いが込められていたり。灯台には知る人ぞ知る歴史やロマンが溢れていました。
さらに!
不動まゆうさん:「静岡はめちゃめちゃ役者揃いなんですよ。ユニークな灯台がたくさんあるので私、静岡って灯台大国だと思っています」
そこで静岡灯台めぐり第2弾。案内してくれるのは今回も、不動まゆうさん。灯台が好きすぎて自費でフリーペーパーを出版。今までに巡った灯台の数は、世界各国およそ600にのぼり、なんと結婚式も灯台であげてしまったほど。
腹が減っては… 灯台の前に向かったのは、
そんな不動さんと向かったのは
不動まゆうさん:「もう既に重要文化財に指定された灯台で、日本の灯台の父というブラントンという人が設計した価値の高い灯台が、すごい綺麗な灯台が待っている」
西尾梓アナウンサー:「綺麗な灯台、見に行きましょう」
不動さん:「行きましょう」
目的地は、駿河湾と遠州灘を望む御前崎。県内最南端の「岬のまち」です。目指すのは重要文化財の灯台。・・・と、その前に
浜一
鈴木博海さん:「大変おまたせしました『かつお刺し定食』です」
不動まゆうさん:「すごいボリュームが…」
御前崎といえばカツオ。生のカツオの水揚げ量は県内一!御前崎に来て、味わわないわけにはいきません。まずは、地元の食事処へおじゃましました。
西尾アナ:「もっちりとしてますね」
不動さん:「今まで食べたかつおのイメージと全然違って新鮮でコクのある感じ。めちゃめちゃおいしい」
板前さんに御前崎の灯台について聞いてみると、
浜一
鈴木さん:「夜間船の運航のためには欠かせない存在で、すごくありがたい存在です」
不動さん:「そしておいしいお魚がいただけるのも灯台を目にした漁師さんが獲ってくださるから」
鈴木さん:「本当にそうです。助かっています」
いよいよ御前埼灯台へ
地元で愛されていることが分かったところで、いよいよ…
西尾梓アナウンサー:「見えました見えました白い頭の…」
不動まゆうさん:「着きましたね。ちょっとワクワクしますね もうちょっとですよ」
西尾アナ:「ありました ありました」
不動さん:「かっこいい」
目の前に現れたのは、真っ青な海を見つめる御前埼(おまえさき)灯台。国の需要文化財です。国内に16基しかない、いつでも登れる灯台のひとつで観光スポットとしても人気です。
西尾アナ:「それでは灯台に登りましょうか、あれ中に入んなんですか?」
不動さん「だってまずは…ご挨拶。コロナで中々会えなかったね、やっと会えたね。ありがとうございます。早速登りましょう」
階段を登ると、早速…
不動さん:「ここ窓が見えますよ。すごく重要な部分でこれで、この灯台はレンガ造りの灯台だなということがわかると思う。わかるようにここ、特別に穴をあけて見えるようにしている。こういう風になっている灯台は少ないのでとても勉強になると思う」
歴史と迫力に圧倒されて…
御前埼灯台の歴史は150年前にさかのぼります。1872(明治5)年に工事が始まりました。幕末から明治にかけて、日本各地の灯台建設を主導してきたイギリス人技師ブラントンの指揮により、2年後…。国内で最も古いレンガ造り灯台の一つとして完成。その歴史的価値などから、2021年、国の重要文化財に指定されました。灯台の中では150年前のレンガを目の前で見ることが出来るんです。そして…
不動まゆうさん:「レンガの積み方も色々種類があって、長い面が同じ列にあって短い面が同じ列になる、こういうのをイギリス積みという」
「長いレンガ」と「短いレンガ」を交互に並べるのがフランス積み。対してイギリス積みは「長いレンガ」だけの段と「短いレンガ」だけの段を積み上げていきます。イギリス積みの方が強度が高くなると言われています。頑丈に造られているんですね。
不動さん「大きいなやっぱりレンズ」
西尾梓アナウンサー:「本当に見上げると迫力がありますね」
不動さん:「光はしっかり遠くまで届くのですごい働き者の美しいレンズ」
御前埼灯台のレンズは、10秒で1回光を発します。光は、およそ36Kmまで届きます。そして灯台の最上部へ…
西尾アナ:「解放感ありますね。本当に海を一望できますね。ずっとここにいたい…」
もうひとつの灯台も…
実は御前埼灯台から、もう一つ灯台が見えるって知っていますか?
不動まゆうさん:「あれが御前岩(ごぜんいわ)灯台ですね」
西尾梓アナウンサー:「あの奥に見える白色の? 三本脚の?」
こちらがその御前岩灯台。御前崎の沖合3キロほどのところにある海の中の灯台で、1958(昭和33)年に暗礁がある危険なポイントに建てられました。
不動さん:「御前岩灯台が『ここ危ないから気をつけて』ということで守っている」
御前崎の海は潮が激しくぶつかり合い多くの暗礁があちこちに散在するため、古くから事故が相次ぐ「海の難所」として恐れられてきました。
不動さん:「こんなふうに一見すごくのどかで危ない感じなんか全然しないけど、海はいろんな表情を持っているので」
2つの灯台は、船に危険を知らせる大切な道しるべ。昼も夜も事故なく航行できるよう、海を見守り続けてきたのです。
不動さん:「その間ずっとこの御前崎を見守って何世代の人の命、ここの営みを見守って来たんだなと思うと、私はジーンとくる」
海を照らす白亜の灯台は、美しさと強さを合わせ持つ御前崎の守り神でした。