わずか1年で再発…教員逮捕に教育長が全校長を緊急招集「対策は不十分だった」 「信じたい気持ちが判断鈍らせる」と訓示 静岡市

 「魂の殺人」ともいわれる性犯罪。静岡市の中学校教諭がわいせつ行為で逮捕された事件を受け7日、臨時の校長会議が開かれました。

 静岡市役所で行われた臨時校長会議には、静岡市立小中学校113校と高校2校の校長が出席しました。1校を除き、市内の全学校の校長が一堂に集まる中、静岡市の中村百見教育長が険しい表情で会場に入りました。

わずか1年で再発…教員逮捕に教育長が全校長を緊急招集「対策は不十分だった」 「信じたい気持ちが判断鈍らせる」と訓示 静岡市

静岡市 中村百見教育長:「夏季休業中は教職員にとって、これまでを振り返り、学びを深める大切な時期です。しかし、(そのような時期に)このような臨時校長会を開かなければならなくなったことを大変重く受け止めています」

 静岡市では3日、中学校の非正規の常勤教諭(23)が、女子中学生にわいせつな行為をした疑いで逮捕されています。被害からおよそ1カ月後に被害生徒の親が警察に相談したことで、事件が発覚しました。

 静岡市では去年7月にも、元Jリーグの選手で中学校教諭の男(34)が、卒業生の10代女性に面会を要求するメッセージを複数回送ったとして逮捕されていて、その際も臨時校長会議が開かれています。

 およそ1年で再び開かれる結果となった校長会議。

静岡市 中村百見教育長:「あれから1年経つか経たないかのうちに、また事案が起きました。これはどう考えても私たちの対策や取り組みが十分ではなかったと認識すべきで、この現実をまず受け入れなければならない」

 訓示では厳しい口調で話した中村教育長ですが、自身も小学校の
校長を務めた経験を持つ中で、校長らが抱く“ジレンマ”に理解を示しつつも、日常の「違和感」に気づくことが大切だと話します。

静岡市 中村百見教育長:「今回のような重大事態は突然起こるわけではありません。後から振り返れば教員の言動に違和感がある場面があるんです。子どもたちと教職員が接する場面をよく観察していれば感じることがあると思います。(自校の)先生方を信じたい気持ちはよくわかります。しかし、その違和感を覚えたら『大丈夫だ』と心底言えるまで追求しなければならない」

 中村教育長の訓示後、校長らはグループ討議で現状の課題や対策を共有しました。ある校長は昨年度、自校で行った研修で現実的に考える教職員とやや理解不足の教職員で乖離がみられると指摘。部下に対して、日常的に考えてもらうことが必要だと言います。静岡市教育委員会はすべての教職員に対し、文科省が2023年に作成した研修用動画の視聴を求めるほか、夏休み期間中に各校で校内研修を行うよう校長に指示しています。

 静岡県教育委員会も6日、「インスタグラム」で生徒と私的なやりとりをしたとして、県東部の中学校に勤務する男性教諭(25)を戒告処分としています。県教育委員会は私的なやりとりが性犯罪の大きな要因となっている状況をうけ、今年4月に教職員と生徒との間のSNSなどによるやりとりの全面禁止をルール化しています。

 教職員の性犯罪をめぐっては、2021年に児童性暴力防止法が成立し、児童生徒に性暴力などを行って教員免許を失効した人をデータベース化する取り組みが始まりました。また、今年12月には採用時などに性犯罪歴の有無を確認して、犯歴がある人を子どもたちのいる現場で雇用しないとするいわゆる「日本版DBS」が始まります。

 各地で散見される教職員の性犯罪。子どもを守るための取り組みは、各自治体の課題にもなっています。