外国産ワカメを「鳴門産」表示か 客が疑心暗鬼に…頭抱えるスーパー 消費者「信用して買っているのに」 静岡市

 静岡県警が押収した大量の「ワカメ」。食品表示欄には「鳴門産」の文字が。さらに、「鳴門名産」と書かれたステッカーも…。

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 しかし、これらのワカメ、実は外国産だったのです。

 徳島県の特産品の一つ「鳴門ワカメ」のブランドを悪用したとみられる産地偽装が明らかになりました。

 食品表示法違反と不正競争防止法違反の疑いで逮捕・送検されたのは、静岡市内にある食品加工会社社長(80)と次男(36)、工場責任者の女(70)です。

 容疑者らは去年11月、駿河区にある水産物などの製造・加工を行う工場で外国産のワカメに徳島県の「鳴門産」と書かれたステッカーを貼り、市内の水産会社に出荷・販売した疑いが持たれています。

 事件発覚のキッカケは、去年7月の県と静岡市からの情報提供。

県警は家宅捜索をするなどして捜査を進め15日、3人を逮捕しました。

原川朋華記者:「偽装されたワカメは県内外のスーパーでも流通していたということです。押収された段ボール箱には『中国』の文字があります」

 押収されたワカメは鑑定の結果、外国産であることが判明。また、容疑者らが鳴門市内の漁協に「鳴門産」と書かれた産地証明書を発行させていたことも、分かりました。

 関係者によると、およそ10年前から鳴門市の漁協と取引があり、証明書が悪用された可能性もあるとみられています。

容疑者らは静岡県内をはじめ、県外の業者にも偽装ワカメを卸していて、各地のスーパーで販売されていたと見られています。

静岡市のスーパーでは…

 産地偽装のワカメの取り扱っていなかった静岡市のスーパーでも、動揺が広がっていると言います。

スーパー営業本部執行役員:「お客様もそういう話に敏感になっていますので、安全なものを取り扱おうとしている企業が迷惑してしまうというところでは困っています」

 県内だけでなく、県外の業者にも卸されていた産地偽装のワカメ。各地のスーパーの店頭に並んでいたと見られています。

小林歩ディレクター
「多くの海産物が取り揃えられているコーナーの一角にワカメが並んでいます。こちらの商品も『鳴門産』と書かれています」

 産地偽装のワカメを取り扱っていなかったスーパー、それでも影響を感じていると話します。

スーパー営業本部執行役員:「お客様が買う時に、こういう話が出てしまうと、全部がそういう、疑心暗鬼じゃないですけども、なってしまうというところを感じます」

 このスーパーでは、問屋を通し、取り扱い基準をクリアする食品メーカーを選定した上で食料品を仕入れるなど、普段から安全性の確保に気を配っています。

スーパー営業本部執行役員:「1円でも安くお客様にいいものを提供するというところで話を進めていく中で、やはり異様な安さで出ている商品がたまに見受けられることがあります。そういう時は中身を精査した中で、うちの取り扱い基準で出来るものかできないものかというところを非常に気を付けているところ」

消費者は… 

 スーパーの利用客は、今回の産地偽装についてどう感じているのでしょうか。

利用客70歳代男性:「まずいよね、みんなそれを信用して買っているから。他の県の話が多かったからね今まで。地元でもそういうのがあるのかと、ぜひやめてもらいたい」

Q.普段、ものの産地は気にされますか?

利用客30歳代女性:「やっぱり国産の方が安心しますね。子どもが小さいので、やっぱりそういう点では…」

Q.不安に思ったり?

A.そうですね…

スーパー営業本部執行役員:「お客様の信頼を裏切るような形になってしまいますと、メーカーさんだけではなくて、製造もそうですし、うちみたいな販売もそうですし、色んな所に迷惑が掛かりますので、そういうことはないように、製造・配達・販売、全部の所できちっとした形でお客様に美味しいものを届けられるようにやっていけたらなとは思っています」

 鳴門産というブランドを悪用し、消費者を裏切る犯行。警察は、外国産ワカメの仕入れルートや偽装によって得た利益などを今後、詳しく捜査する方針です。