食事の先に美しい別腹が待っている 掛川市「VIVRE SA VIE」

 肉料理を食べた後にはカシスの酸味を。冷たいパスタの余韻には、ほろ苦いカラメルを。掛川市小鷹町で9年続く「VIVRE SA VIE」は、食事とデザートを切り離さず、組み合わせまで提案するカジュアルな洋食店だ。店名はフランス語で「自分らしく生きる」。厨房から届く料理にも、定番に寄りかかりすぎない店の感覚が表れている。
 ランチで評判の「ポーク サルティンボッカ」は、国産豚ロースを薄くたたくところから始まる。肉にハーブのセージと生ハムを重ね、小麦粉を薄くまぶしてフライパンへ。焼けた表面はカリッとし、内側には肉汁を保つ。豚肉の旨みに生ハムの塩気が加わり、セージの爽やかな香りがほのかに抜ける。サラダ、その時々のスープ、食後のドリンクが付くため、ランチとしての満足感も十分。手をかけた肉料理を、昼から気軽に味わえる。

ポーク サルティンボッカ(2200円)
ポーク サルティンボッカ(2200円)

 サルティンボッカの後にすすめるのが「カシス ピスタチオ」。カシスを使った軽いメレンゲムースとスポンジを層にし、断面にも楽しさを持たせたケーキだ。ピスタチオの濃いコクへ、カシスの酸味が鮮やかに差し込む。肉料理を食べた後だけに、果実の酸っぱさが心地いい。味だけでなく、切り分けた時に現れる層まで食欲を誘うデザートである。

カシス ピスタチオ(850円)
カシス ピスタチオ(850円)

 残暑の頃には、旬のイチジクと生ハムをのせた「冷製カッペリーニ」もいい。細いパスタを氷水で冷やし、酢、みりん、白ワイン、ハチミツを合わせた自家製ソースで和える。完熟したイチジクのやわらかな甘み、生ハムの塩気、ソースの酸味。異なる味が細麺に絡み、穏やかな甘酸っぱさに落ち着く。果物を飾りにとどめず、ひと皿の味を決める存在として使っている。

イチジクと生ハムの冷製カッペリーニ(2000円)
イチジクと生ハムの冷製カッペリーニ(2000円)

 冷製パスタと合わせたいデザートは「カラメルバニラ」。カラメルムースとスポンジを重ね、こちらも断面に層をつくる。カラメルの苦みとコクがあり、甘いものを普段あまり選ばない男性客からも人気だという。根強いカラメルケーキのファンに応えながら、内容を変えて提供してきた。淡い甘さでは終わらないため、生ハムやイチジクを使ったパスタの後にも輪郭がぼやけない。

カラメルバニラ(850円)
カラメルバニラ(850円)

 客から聞こえる「わあ、おいしそう」という第一声を大切にし、盛り付けにも気を配る。第3土曜日の夜には、料理付きのジャズライブも開く。こちらで過ごす時間は、食事を済ませたところで終わらない。ケーキの美しい層にスプーンを入れる瞬間まで、ひと続きの楽しみとして用意されている。

食事の先に美しい別腹が待っている 掛川市「VIVRE SA VIE」

ビブレサヴィ
住所:掛川市小鷹町176
電話番号:0537-22-2829
定休日:火曜日、第1・3月曜日
営業時間:11:30-14:30 L.O.13:30 / 18:00-21:00 L.O.19:30 ※ディナーは予約制
Pあり