「パンダ」と呼ばれていたのは実はレッサーパンダ!? 9月19日は「国際レッサーパンダデー」 日本平動物園が担う繁殖の重要な役割
9月19日は「国際レッサーパンダデー」です。日本の動物園の中で、レッサーパンダの繁殖に重要な役割を担う静岡市の日本平動物園で話を聞きました。
レッサーパンダは、愛らしい丸い顔立ちと赤茶色の毛並みが特徴で、長いしま模様のしっぽと鋭い爪を持っています。中国やネパールの高山地帯の森林などに生息しています。
「国際レッサーパンダデー」はレッサーパンダの保全活動を行う団体「Red Panda Network」が定めた記念日で、毎年9月の第3土曜日に開催されています。
レッサーパンダの魅力や野生下での現状、保全の必要性を広く知ってもらうことを目的に、全国各地の動物園で普及啓発イベントが実施されています。
日本平動物園でもこの記念日に合わせ、バックヤードの見学や、飼育員と一緒にフィーダー(給餌器具)を製作するイベントなどを実施する予定です。
実は日本平動物園は、レッサーパンダに関して日本の動物園の中でも重要な役割を担っています。
●日本平動物園 企画係 太田さん
「当園は日本動物園水族館協会(JAZA)から種別計画管理者に任命されています。繁殖などをめぐり、全国の動物園の要望に応えて調整するコーディネーターのような役割を果たしています。1989年にはレッサーパンダの人工保育に成功し、JAZAから繁殖賞を受賞しました」
ファンの中には、日本平動物園を「レッサーパンダの聖地」と呼ぶ人もいるそうです。
日本平動物園では現在8頭のレッサーパンダを飼育しています。「レッサーパンダ館」は、屋内と屋外をレッサーパンダが自由に行き来できる造りになっており、さまざまな角度から観察できるのが特徴です。
1月、東京・上野動物園のジャイアントパンダが中国に返還され、「日本にパンダがいなくなった」と嘆く声がきかれました。実は、レッサーパンダとジャイアントパンダには名前について面白い由来があるそうです。
●日本平動物園 企画係 太田さん
「最初に発見されたのがレッサーパンダで、もともと『パンダ』といえばレッサーパンダのことを指していました。しかしその後、ジャイアントパンダが発見されると、『パンダ』はジャイアントパンダの代名詞となり、レッサー(『より小さい』という意味)パンダと呼ばれるようになったということです」
どちらも愛らしい見た目ですが、両者に共通点はあるのでしょうか。
●日本平動物園 企画係 太田さん
「『パンダ』という名前は、ネパール語の『竹を食べるもの』という言葉が由来になっているそうです。そのため、両者は竹を食べるという点で共通しています。また、竹をつかむときに使う『種子骨』という骨を持っていることも共通しており、この骨は『第6の指』と呼ばれることもあります。一方で、共通点はそれほど多くなく、両者は分類上異なる種類の動物です」
同じ食肉目ではありますが、ジャイアントパンダはクマ科、レッサーパンダはレッサーパンダ科で、全く異なる動物です。確かに大きさも体つきも全く違います。
実はレッサーパンダはジャイアントパンダと同様に、世界的に個体数が減少している絶滅危惧種です。しかし、その事実はジャイアントパンダほど広く知られていないように感じられます。それはなぜなのでしょうか。
●日本平動物園 企画係 太田さん
「レッサーパンダは現在、日本国内の60施設でおよそ220頭が飼育されています。ジャイアントパンダもレッサーパンダも絶滅危惧種ですが、日本国内での珍しさという点から、ジャイアントパンダの方がより注目されたのではないでしょうか。一方、レッサーパンダは国内では比較的多く飼育されていますが、野生では生息数が減少している貴重な動物です。その現状を多くの方に知っていただきたいですね。日本平動物園では、入園して最初に目に入るのがレッサーパンダ館です。なるべく自然に近い姿を見ていただき、環境教育といった部分にも目を向けていただきたいと思います」
「国際レッサーパンダデー」にあわせたイベントについては、日本平動物園のホームページをご覧ください。