中部電力の勝野哲会長と林欣吾社長が30日付けで退任 3・4号機の再稼働審査を取り下げる方針を発表 浜岡原発のデータ不正問題を受け
●中部電力 林欣吾社長:
「広く社会の皆様からの強いご不信を招いたことにつきまして、改めて深くお詫び申し上げます。私は今月末9月30日をもって辞任することといたしました。」
●中部電力 勝野哲会長:
「私自身も経営責任を明確にするため、会長職を辞任することといたしました。」
午後2時から行われた、中部電力の記者会見。浜岡原発をめぐるデータ不正問題で、中部電力の勝野哲会長と林欣吾社長が30日付けで退任し、3・4号機の再稼働審査を取り下げる方針を発表しました。
きょう公開された調査報告書には・・・
●中部電力 勝野哲会長(当時は社長):
「当社の努力が足りないだけ」
●中部電力 林欣吾社長:
「議論をすることではなく、全力で走ることが重要」
データ不正の要因の1つとして、「何としても早期再稼働を実現しなければならない」という経営層の“プレッシャー”が指摘されました。
きょうの会見で退任を発表した中部電力の勝野会長と林社長。3・4号機の再稼働申請を取り下げると発表し、今回の不正の要因として、組織としての機能不全が起きていたとしました。
会見前には外部弁護士などがつくる調査委員会から提出された「調査報告書」を公開。報告書では不正の疑いがあった地震動データのうち、208通りのデータでの不正が認められたとし、発覚後も中部電力がデータ組み替えを続けていたことも「不適切な行為」と認定されました。
また、こうした不正の要因として早期の再稼働を阻む障害を排除し、不適切行為を正義とする「独自の正当化理論」が社内に存在するとしました。
●中部電力 林欣吾社長:
「経営の責任として極めて重く受け止めております。経営層が実務者に正面から向き合い、正しい情報を共有し、多様な観点から議論を尽くすという本来果たすべき役割を十分に果たすことができませんでした。その結果、組織が一体となって課題を解決する機能を十分に発揮できなかったことが大きな反省点です」
さらに、調査委員会によるヒアリングでは、今回のデータ不正について、「結果として浜岡原発の安全性に問題がないのだからやむを得なかった」と話す職員もいたということです。
再稼働審査を担当する専門性が高い原子力土建部に対して、十分に事情を理解できていない経営層が叱責したことが現場への圧力となり、不正行為が続けられる結果となりました。
●中部電力 林欣吾社長:
「自社がどれだけ困難に陥っているのか、どういう説明が非常に困難なのかということを聞かずに、あるいは理解せずに、そういったことを目標なりスケジュールなりを話にしまったこと、あるいは話し方についても当時を覚えておりませんが、話し方についてもそういった目標について厳しく言ったトーンになってしまったのではないかというふうに思っております」
中部電力は組織の「解体的再構築」を目指し、原子力部門への社外経験者の起用や組織改革に向けた専門部署の設置を行うなどの再発防止策をとるとしました。報告書で明らかとなった、中部電力の“実態”。
●中部電力 林欣吾社長:
「特に原子力事業というのは、地域の皆様、社会の皆様の理解があって初めて成り立つものでありますので、これまで以上に地域の皆様に情報を共有し、また地域の皆様の御意見を聞く場を設けたいというふうに思っております」
地域住民との信頼回復のため、新たに「静岡地域事務所」を設置し、地域との対話を図っていくとした中部電力。浜岡原発の城下町に住む、御前崎市民は・・・
●御前崎市民( 80代):
「大体原子力のことなんか住民に嘘の一つもあってはいけないことだと思うね。」
●御前崎市民 (70代):
「廃炉にしますかって言われても、全部廃炉にして電気代がまた跳ね上がるようなこともあれば、生活は苦しくなるし、なんとも言えないわね」
中部電力の会見開始後、御前崎市の下村勝市長が取材に応じました。
● 御前崎市 下村勝市長:
「(再稼働申請を)自ら取り下げるって判断をされたことは中部電力の考えとして受け止めます。やっぱり安全性っていうのが1番大事ですので、そこがどういう解釈になってるのかっていうところはしっかり見ていくし、組織も含めてですね、安全がどういう風に担保されていくのかっていうところを確認していくのが我々の役目」
あす、林社長らは御前崎市などの周辺自治体と鈴木知事のもとを訪れ、調査報告書について説明する見通しです。