富士山麓に大量の土砂を無許可で埋め立てた会社役員を逮捕

富士山麓に無許可で土砂を埋め立てその後、市の行政処分に従わなかったとして土木会社社長の男が逮捕されました。
富士山麓では違法な埋め立て行為が問題になっていました。

画像: 無許可で埋め立てられた現場

無許可で埋め立てられた現場

富士市土砂条例違反の疑いで逮捕されたのは伊東市岡の会社役員(53)です。

警察によりますと、会社役員はおととし7月ごろ、富士市にある民間の土地に、無許可で土砂を埋め立てた上、富士市から埋め立て前の状態に戻すよう原状回復命令を受けたにもかかわらず従わなかった疑いが持たれています。

会社役員は県内外から工事現場で発生した土砂を請け負う会社を経営していました。
富士市はこれまで数十回にわたって行政指導を行ってきましたが容疑者の会社はこれに応じてきませんでした。

警察は、会社役員が容疑を認めているかどうか明らかにしていません。
ただ去年、容疑者の会社の社長と名乗る男性は取材にこう答えていました。

●社長と名乗る男性
「無許可でやって、その後(市からの指導を受けて)是正工事に移っていると。中止命令でも辞めるわけにはいかない。これはダンプ屋も俺も死活問題だから。これだけの土の量が何でここにあるかというと皆困っているんだよね。正直。大体どこの工事現場も80%くらい行き場所がない」

富士山麓では10年ほど前から違法な土砂の埋め立てが問題になっていておととし12月に小長井市長が非常事態を宣言しました。
しかし、その後も状況は変わらず富士市が警察に容疑者の会社を告発し今回の逮捕に至りました。

山積みとなった土砂に地域住民には不安が広がっています。

●近隣の住民(男性)は「あそこ谷だったけど、全部山になってあんなに積んであるので、もし崩れたら大変だってもし大雨とか地震とかで土砂が流れてきたらこっちへ流れてきちゃうから困るなって」

警察はこの会社役員が他にも県内外で違法な埋め立てを請け負っていたとみていて、土地を無許可で開発した森林法違反の疑いも視野に捜査を進めています。