緊急事態宣言延長へ…観光地は「効果が出れば」「仕方ない」 ホテル社長「8月に次ぐシーズンなのに」 静岡・熱海市

 静岡県内でも宣言延長の影響が特に深刻とみられるのが、首都圏からの観光客が8割を占める観光地・熱海市です。

熱海市の観光客、8割は首都圏から

林輝彦アナウンサー:「JR熱海駅前の商店街は、多くの店でシャッターが閉まっています。というのも、土日だけ営業したり、しばらくの間休むお店が多いです」

画像: 熱海市の観光客、8割は首都圏から

緊急事態宣言が発令直後から、相次ぐ「休業」

 JR熱海駅前の商店街では、下ろされたシャッターに臨時休業の貼り紙が。緊急事態宣言が発令された直後から、熱海駅前商店街では「休業」する店が少なくありませんでしたが、1カ月ほど経っても同じような状況が続いています。中には、宣言の延長を受けて休業期間の延長を検討する店も。

画像1: 緊急事態宣言が発令直後から、相次ぐ「休業」

休業している飲食店:「緊急事態宣言の延長がなければ、今月中旬からの営業再開を考えていたが、売り上げと人件費のバランスを考えると休業期間を延ばすことになるかもしれない」

 寂し気な商店街の光景が続くことに不安の声も。

シュークリーム店店長:「こういった閑散とした熱海は、この時期はなかなかないと思う。延長されるとなると打撃が大きい。おとといの日曜日は人が少し多かったが、例年に比べれば、だいぶ少ないので厳しい状況に変わりはない」

画像2: 緊急事態宣言が発令直後から、相次ぐ「休業」

 商店街に店を構える人気シュークリーム店。客の8割が観光客です。すでに売り上げは70%ほど減少。宣言の延長で、さらなる打撃は避けられません。現在は、出勤するスタッフの数をギリギリまで減らし、人件費を抑えることで何とか営業を続けられる状態だといいます。

シュークリーム店店長:「年末から今に向けて仕入れた材料も無駄にできない。それを見越して、(商品を)作っていたが、(客が来ないので)それが全部ダメになりそう、なんとか売れるように通販の方に力を入れたり、できる限りの対応をして、それでもダメなら諦めるしかない」

画像3: 緊急事態宣言が発令直後から、相次ぐ「休業」

 観光客でにぎわうはずの駅前に設置された足湯。人気の観光スポットも宣言の延長に伴って、閉鎖の継続が決まりました。

熱海市民 80代:「(熱海で)感染者が出るという話を聞くと、たいてい県外から持って来ている。感染者の人が少し減ってきているが、さらに減るように、1カ月延ばすことで効果が出ればいい」

熱海市民 70代:「仕方ないと思う。若い人が来てくれていいなと思っていたが、急にコロナで減った。早くコロナ禍が収束してくれればと思う」

 そんな中、首都圏からの観光客の姿も…。

神奈川からの観光客 70代:「去年11月末に1度来たが、その時はかなり(人が)いたが、きょうは全然いない。寂しいけど、早く普通の生活に戻れたらいいと思う」

GoToトラベル停止も継続方針で宿泊施設はダブルパンチ

 政府は宣言の延長に伴って、GoToトラベルの全国一斉停止も継続する方針で、ダブルで痛手となるのが宿泊業界です。

 市内の宿では、GoToトラベルが停止された年末以降、キャンセルが続出。稼働率は、去年に比べて7割余り落ち込んでいます。
そこに追い打ちをかける宣言の延長。宿からは悲鳴があがっています。

ホテル社長:「去年もコロナの中でも(この時期は)動いていたので、今年もそこそこは動くかなと思っていたが、それが毎日(宿を)開けるのが精いっぱいという営業。2月になれば、多少は(状況が)良くなるというのを見込んだ予約も多かったが、それらもここに来て2月のキャンセルが本当に多くなっている」

 宣言延長が現実味を増してきた、直近3日間でのキャンセルは約50件。今回の延長による影響が深刻なのは、「2月から3月」というタイミングにあるといいます。

ホテル社長:「2、3月というのは、8月の夏に次ぐトップシーズンで、桜と梅が満開になり一足早い春を求めて、たくさんの客が見える時期、80~90%ぐらいの稼働率で2月、3月は例年動く月だが、やはり延長になるので、それらも半減する。3分の1、4分の1動くかなという状況。本当に厳しい冬、我慢の冬。じっと我慢をして、やがて訪れる春を待つということで、日々を過ごすしかない」