感染者減少傾向も…「緊急事態宣言は続けてほしい」「病床占有率は高止まり。極めて深刻」 静岡県

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(3日):「減少の傾向、この折れ線グラフはなだらかにゆっくりと下降してきている。人口10万人あたりの1週間の感染者数も100人台が続いていたが、本日は80人台、86.3人まで低下している」

新規感染者は2カ月ぶりに減少に転じる

画像: 新規感染者は2カ月ぶりに減少に転じる

 静岡県の感染状況は8月下旬から始まった爆発的な感染拡大の局面から、フェーズが変わりつつあるようです。1週間あたりの新規感染者の増加率は、およそ2カ月ぶりに減少に転じました。

 8月25日を境に、新規感染者数が減少傾向にある静岡市の担当者は―

静岡市保健衛生医療部 和田明久部長(5日):「ピークアウトはもうしていると考えている。しかし、いまだに50人前後の新規感染者が出ているということで、下げ止まってしまうのではないかという予断を許さない状況で、注視していきたい」

病床使用率はひっ迫続く 自宅療養の患者の死亡も

 県内の病床使用率はいぜんとしてひっ迫が続いていて、5日の時点で、一般病床では64.3%、重症者病床では50.0%と、いずれもステージ4の基準を超えています。

 また、県内で相次いでいるのが、自宅療養患者の死亡です。

画像: 病床使用率はひっ迫続く 自宅療養の患者の死亡も

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(3日):「自宅療養中の方で、自宅で死亡が確認されている。基礎疾患もないということで、本人の希望により自宅療養となっている」

 死亡が確認されたのは性別・居住地非公表の50代の自宅療養患者です。亡くなる前日まで健康観察ができていて、軽症だったといいます。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(3日):「熱は続いていたが、せき等の呼吸器症状は改善傾向で、パルスオキシメーターの数値も正常範囲で低下がないということで肺炎がひどくなって悪化した可能性は極めて低いと考えている。コロナウイルスの感染症は1%が亡くなる病気であることは、日本全体でそういう統計になっているので、そういったリスクある病気。感染者の数自体が増えれば、どうしても死亡の方が増えてくる」

 県内の新型コロナによる死者は去年11月以降の感染拡大から徐々に増加し、5日までに累計185人となっています。

2回のワクチン接種で感染リスク6分の1に

画像1: 2回のワクチン接種で感染リスク6分の1に

 月ごとの新規感染者数と死亡者数にもとづく死亡率は今年3月の4.4%が最も高く、ワクチン接種が進んだ春以降は抑制傾向となり、感染が急拡大した先月の死亡率は0.1%となっています。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(3日):「入院しても、恐らくホテルに入っても、自宅にいても防げない死が起こり得る。それを防ぐためには感染しないことが最大の予防の方法。そのためにはワクチン接種をしっかり進めていただきたい。ワクチン接種を受けるまでは、受けてもしっかり感染対策をとっていただきたい」

画像2: 2回のワクチン接種で感染リスク6分の1に

 県によりますと、県内の先週1週間の感染者をワクチンの接種回数で比較すると、2回のワクチン接種を終えた人は、接種していない人の6分の1に感染を抑えられていることが分かりました。

緊急事態の期限は12日 県「続けてほしい」

画像: 緊急事態の期限は12日 県「続けてほしい」

 こうした状況で、次の日曜に静岡県への緊急事態宣言が期限を迎えます。政府は東京など1都3県について延長する方向で調整に入っていて、関西3府県と東海3県などについても延長を検討します。

 延長幅は2週間から今月いっぱいとする案が出されていて、政府対策本部で正式に決定する方針です。

 現時点で、静岡県への宣言が延長されるかは不透明な情勢ですが、県の担当者は「データを見れば解除できる状況にはない」との見解を示しています。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(3日):「病床占有率が高止まりしている。この状況はもはや一般医療にも影響すると考えているので、医療全体には極めて深刻な緊急事態。当然、緊急事態宣言は続けていただきたい」