静岡・熱海市議会 盛り土問題めぐる百条委員会設置の動議は否決

静岡県の熱海市議会では9月定例会が開かれました。災害対応のため、会期はきょう1日のみで、冒頭土石流の犠牲者に1分間の黙とうがささげられました。

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静岡・熱海市議会 盛り土問題めぐる百条委員会設置の動議は否決

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 本会議では橋本一実議員が市議会として、盛り土問題などを調査する百条委員会の設置を求める動議を提出しました。

橋本一実市議:「議員として行政当局に問い合わせや資料請求したが、主要部分は理解を示さず無回答。この状況を改善するには、法に許された議会の名による調査をし請願者と市民の期待に応える活動が必要と確信し、伊豆山土石流の原因究明等を行うための特別委員会の設置を求める」

 百条委員会は関係者の出席や証言、記録の提出を求めるなど強い調査権限があり、証言を拒否するなどした場合罰則規定があります。動議では盛り土工事の届け出を受理した経緯や、工事に関する指導内容などを調査するとしています。

 その後の質疑では…。

米山秀夫市議:「今はまさに非常時の状況下にある議会運営でなければならないと考える。負担を大きくすることが決して正常ではない、異常だと感じてならない。そういう認識を持っているのか」

橋本一実市議:「人命が失われたという事実を見ても、早く原因究明をすることこそ我々議員の責務と考えている。そのためにこの動議を提出した」

 採決の結果、賛成3反対11で動議は否決されました。
 続く一般質問では開発業者への市側の対応を問題視する質問が相次ぎました。

稲村千尋市議:「法令無視の盛り土が大災害の大きな要因。熱海市は事業者を告発されるのか?」

斉藤栄市長:「熱海市が指摘の業者を告発するかだが、新聞報道によれば被災者の一部が刑事告訴及び民事訴訟の請求を行ったとのことであり、市としては司法機関の審理に協力する立場」

稲村千尋市議:「法令を無視し土砂を流出させ、地域に多大な被害を及ぼした会社が全く責任をとらない。被害者の熱海市は処分しない。それで熱海市は本当によいのでしょうか。被害者の会は熱海市は厳しい対応をしていただきたい」