聖隷クリストファー落選の波紋…上村監督単独インタ(上)「選手が一番ショックを受けたのは『投打に相手が勝る』という表現

 1月28日、センバツ高校野球の出場校が発表されました。2枠ある東海地区から選ばれたのは、去年 秋の東海大会で優勝した日大三島と東海大会ベスト4だった 岐阜県の大垣日大。甲子園出場が確実と見られていた準優勝の聖隷クリストファーがまさかの落選。このことが今、大きな波紋を広げています。
 
 静岡朝日テレビは4日、聖隷クリストファーの校長で、野球部を率いる上村監督を取材。その胸の内を聞きました。

聖隷クリストファー 上村敏正監督(4日):「個の力が相手が勝っていて、うちの選手たちが甲子園で勝てる確率が低いと、投打にも相手が勝ると表現されたが、それが一番選手たちはショックを受けている言葉です」

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「最初聞いたときは何も考えることができなかった」

石田和外アナウンサー:「まさかの、本当にまさかの落選から1週間が経ちましたが、今の心境はいかがですか」

聖隷クリストファー 上村敏正監督(4日):「最初聞いたときは、何も考えることができない。どうしてだろうかという気持ちが強かったんですけど…」

 センバツ高校野球 出場校発表の日。浜松市にある聖隷クリストファー高校に、吉報が届くことはありませんでした。

画像: 「最初聞いたときは何も考えることができなかった」

 グラウンドで待つ選手たちに報告しました。

聖隷クリストファー 上村敏正監督(1月28日):「残念ながら報告は来ませんでした。出場校に選ばれませんでした、ということです。私は間違いなく選ばれるんじゃないかと思って待っていたんですけど、残念ながら力不足だったのかなというふうに思います」

 3月に行われる 春のセンバツ高校野球。聖隷クリストファーの甲子園出場は叶いませんでした。2枠ある東海地区からの出場校は、秋の静岡県大会を制し、東海大会でも優勝した日大三島と東海大会でベスト4となった岐阜県の大垣日大に決定。聖隷クリストファーは補欠校でした。

聖隷クリストファー 上村敏正監督:「残念な結果だったが これもまたいつも言っているように人生思い通りにならないことがあるんだなと、今歩いてきながら本当に思った。この悔しさを忘れないで、これからのいろんなところにこれを生かして、もう一回夏頑張ろう。いいですか」

選手「はい!」

上村監督:「以上です。練習いってください」

前年の東海大会優勝・準優勝校が選ばれなかったのは44年ぶり

        
 秋の大会の成績などを参考に、各地区から出場校が選ばれる春のセンバツ大会。去年秋の東海大会で聖隷クリストファーは主力を欠く中、2度の逆転劇を演じて決勝に進みました。最後は日大三島に敗れ準優勝だったものの、チーム力の高さを示したのです。

 前の年の東海大会の優勝校・準優勝校が順当に選ばれないのは不祥事があった44年前以来のことです。

聖隷クリストファー 上村敏正監督:「生徒たちが受け入れられるのかなって、すごくあの…何ていうのかな、頑張っても報われないって思ってしまったら、それは違うんじゃないかなって。総合力がないって言われればその通りなのかもしれませんけど、でも結果としてあそこまでいったことは評価に値するんじゃないかなと思いますね」

聖隷クリストファー 弓達寛之主将:「自分たちのやってきたことをしっかり全国の場で証明できると思っていましたが、このようなこともあるのだなという気持ちで、今はまだすごく残念な気持ちです。この悔しさをうまく使って今年の夏、一番を取れるように自分たちの中でしっかり練習をやっていきたい」

高野連「大垣日大が投打に勝る」

画像: 高野連「大垣日大が投打に勝る」

 今回の選考理由について、高野連は…。

高野連担当者:「個人個人の力量に勝る大垣日大か、粘り強さの聖隷クリストファーかで、選考委員の中で賛否も分かれましたが、投打に勝る大垣日大高校を推薦校にします。特に投手力については大垣日大の方が上だろうと。大垣日大の方がやはり失点が少ないということが判断の第一の理由になりました」

 甲子園で勝てる可能性が高いチームを選んだという高野連。東海地区代表が2校とも静岡県になってしまうという地域性については、まったく考慮していないとしました。

「投打で相手が勝る」という言葉に選手たちはショック受けている

聖隷クリストファー 上村敏正監督(4日):「個の力が相手が勝っていて、うちの選手たちが甲子園で勝てる確率が低いと投打にも相手が勝るという表現をされたが、それが一番選手たちはショックを受けている言葉です」

石田アナ:今回の選考基準の説明を聞くと、今まで上村先生が目指してきた野球とはまったく違うところが重要視されているようにも思うが?

上村監督:「高校野球の指導者の9割5分の先生方は うちと変わらない、もっと劣悪な環境や選手がなかなか来ないというなかでやっていると思う。そういう中で どうやってチームワーク、総合力で勝とうかと思っている。これが高校野球だと思う。まぐれのような勝ち方だと言われるかもしれないが、それが起きるような努力を一生懸命して準優勝までこぎつけた。それが残念ながら『個人の能力』『甲子園では勝てない』という表現をされてしまうと。じゃあ、高校野球ってどうやって頑張ればいいんですか」