音楽は「飛沫が飛ばない」打楽器で 算数も「密」や「会話」を避ける工夫 子どもたちに広がる感染…小学校の取り組みは 静岡市

 静岡市葵区にある番町小学校。音楽の授業で、4年生が演奏しているのは木琴や鉄琴、電子オルガンなどの打楽器です。打楽器を使っているのは、感染対策の一環。

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 今まで、授業の半分以上の割合を占めていた歌やリコーダー・鍵盤ハーモニカの演奏は飛沫の心配があることから、実施できなくなりました。

 そこで取り入れたのが、手軽に使えるミニキーボード。コロナ対策のため文科省から支給された補助金を使って35台導入しました。

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4年生男の子:「鍵盤ハーモニカは息を吹きかけながら演奏するけど、ミニキーボードは電源を入れて、ただ鍵盤を押すだけなので、鍵盤ハーモニカよりは簡単です」

4年生女の子:「やりたいものを自分で選んで決めたんですけど、この木琴はみんなとちょっと音が違って、リズムも違って、すごく楽しかったです。鍵盤ハーモニカとリコーダーがあるだけで音も違ってくるので、コロナがすぐなくなることを常に祈っています」

 楽器を演奏することのほかに、音楽鑑賞をして曲のイメージに対する意見を出し合うなど、工夫して授業を進めています。しかし、従来とは異なる授業の形に、教員は難しさを感じていると言います。

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静岡市立番町小学校 斎藤統子先生:「音程を取るにも階名を振ってあったとしても、それを音で覚えたいですよね。声が出せないのは本当に辛いです。本当はこの時期の子供たちっていい声なんですよ。それを磨きたいんだけれども、できないんです。ミニキーボードで代用すると指は動かせるんだけれども、口の中のことはできないんですよね」

算数の先生は「密を避ける」ため…

 教員の苦悩は他の教科でも…。

 5年生の教室で行われているのは、算数の授業。ここでも、密になることや会話を避けるため、ある物を使って授業を進めています。使うのは、1人に1台支給されているパソコンです。

画像: 算数の先生は「密を避ける」ため…

5年生:「先生が作ってくれたページのリンクをコピーして、班の人たちで編集してまとめている。(グループの人の)考えが出歩かなくても全部見ることができます」

 ページを共有することで、会話をしなくても、自分の考えを伝えたり、周りの意見を見たりすることができます。

静岡市立番町小学校 北原崇先生:「私自身経験したことのないことで未知の取り組みなんですが、子どもたちと一緒に試しながら取り組むことで、少しずつですが前進しているところです。どんどん新しいことを吸収していく、子ども達の方がそのスピードは速いです」

「黙食」も徹底 机も横向きに

画像: 「黙食」も徹底 机も横向きに

 本来なら会話が弾む給食の時間は、引き続き“黙食”を徹底。教員の机は子どもたちと対面しないよう横向きに。1年生のクラスでも、黙って食事をすることが習慣づいていました。

 ただ、子どもたちの本音は―

1年生:「隣の子とかとしゃべって食べたい、だけどコロナだから我慢してる」

 県内でも学校や保育園など、子どもたちの間で感染が広がる中で教員たちは―

静岡市立番町小学校 望月一喜教頭:「やはり心配です。いつどこでどんな風に入ってくるか分からない。私自身がうつしてしまうこともあるかもしれないので、十分注意をして過ごしている。子どもたちの学びを止めないということが一番大事ということで、先生方にもとにかく日々頑張ってもらっている」

     (2月5日放送)