来園者
母親「寂しくなっちゃうね」
子ども「ひとりぼっちじゃん」
子ども「かわいそうだねー」
母親「そうだねー」

日本平動物園のアジアゾウ「シャンティ」が死にゾウが1頭に

画像1: 日本平動物園のアジアゾウ「シャンティ」が死にゾウが1頭に

 5月5日、静岡市が運営する日本平動物園のアジアゾウ「シャンティ」が老衰のため、53歳で死にました。ゾウ舎の前には献花台が置かれ、取材した15日も多くの人たちが花や手紙を手向けていました。

焼津市30代母親 3歳娘
娘:「悲しかった」
母:「悲しかったね。ちょっと前に見に来たばっかりだったんですよ。だから、きょうはお手紙書いて来ようねって言って来ました」

静岡市40代夫婦 1歳娘
「自分たちが小さい頃から、ずっといたゾウさんなので、長く動物園で皆さん楽しませてくれたので、安らかにゆっくりしてくださいという感じです」

画像2: 日本平動物園のアジアゾウ「シャンティ」が死にゾウが1頭に

 「シャンティ」とのお別れによって、ゾウは「ダンボ」1頭のみとなってしまいました。

 1969年に開園した日本平動物園。ゾウの「ダンボ」は開園当初から。そして、その翌年に「シャンティ」がやって来ました。

 2頭のメスのゾウは、まるで姉妹のように仲が良く、動物園の人気者でした。50年以上、一緒にいた「シャンティ」を失った「ダンボ」は…。

画像3: 日本平動物園のアジアゾウ「シャンティ」が死にゾウが1頭に

日本平動物園 竹下秀人園長:「(シャンティが死んで)しばらく2~3日ですかね、非常に不安定な状況で、落ち着きがなく、ちょっと荒々とした感じだったんですけど、やはりシャンティがいなくなったんだということは、理解していると思いますので、そこをしっかりケアしていきたいと考えています」

 「ダンボ」は「シャンティ」よりも3歳年上の56歳。60歳くらいが寿命とされているゾウとしては、かなり高齢と言えます。

静岡市長「最善を尽くしたいが難しい」

画像: 静岡市長「最善を尽くしたいが難しい」

 先週、日本平動物園のゾウについて聞かれた静岡市の田辺信宏市長は―

静岡市 田辺信宏市長
Q.ゾウのシャンティが天国に旅立ってしまって、現在いるダンボも非常に高齢です。ゾウのファミリーを招くことに向けて、市として動いている状態でしょうか?

A.「最善を尽くしたいと思います。ただし、難しいということはぜひご承知おきください」

 日本平動物園のゾウが高齢化していることもあり、田辺市長は前回の市長選で、新たなゾウの誘致を公約に掲げていました。しかし、思うようには進んでいません。

日本平動物園 竹下秀人園長:「(交渉は)当初、タイで始まったんですけど、法律的なもの、あるいはシャンティが導入された昭和45年(1970年)当時と比べますと、今は動物を取り巻く環境が大きく変わっています。非常に(輸入する)ハードルが高くなっていることは事実です」

Q.タイとの交渉は、今は途絶えている状況ですか?

A.「そうですね、現状は情報収集にとどまっているところです」

 静岡市は2018年、タイに譲渡の要望書を提出し、現地で直接交渉もしてきました。しかし、動物愛護団体の要望などを受けて、タイ側がゾウの譲渡に消極的になっていることもあり、交渉は暗礁に乗り上げています。

最大のハードルは「ワシントン条約」

 そして、最大のハードルとなっているのが「ワシントン条約」です。

静岡市 田辺信宏市長:「ワシントン条約が採択をされた動物福祉の観点、動物愛護の観点など、絶滅危惧動物の導入が困難な時代になってきております。加えてコロナ禍ということで、我々が現地に赴くこともままならない状況です」

 絶滅の恐れのある野生動物の国際取引を規制する「ワシントン条約」は、研究や繁殖目的以外でのゾウの譲渡を禁止していて、輸入にあたっては、しっかりとした繁殖計画や飼育環境が必要になります。

 加えて、市が交渉しているタイは1施設への輸出を年間2頭以下に制限しているため、繁殖のためにオス・メス合わせて4頭の輸入を目指している静岡市の計画は一層実現が困難な状況にあるのです。

札幌市の円山動物園はゾウ4頭を輸入…その「秘策」

 そんな中、国内でもゾウを新たに招いたケースがあります。札幌市にある円山動物園では、4年前にミャンマーからゾウ4頭を輸入。園によると、導入を検討してから実現するまでにおよそ8年。広さ5000平方メートルの新しいゾウ舎の建設に30億円、ゾウの輸送に6000万円ほどかかりました。

 ゾウの『購入』は「ワシントン条約」で禁止されているため、キリンやシマウマを代わりに送り、“交換”の形を取ったということです。

30億円かけるゾウ舎建設計画も止まったまま

 新たなゾウを迎えるため、静岡市でも施設のリニューアルを計画しています。

日本平動物園 竹下秀人園長:「こちらがゾウ舎の候補地ということで挙げられているエリアになっています。この池のざっと3分の2ぐらいのエリアと、この上の第3駐車場の一部、それからこのレストハウスを含めた一帯が現在候補地として挙げられているゾウ舎の建設エリアになります」

画像: 30億円かけるゾウ舎建設計画も止まったまま

 こちらがそのイメージ図。全体の敷地面積はおよそ7500平方メートルと、現在の10倍ほどの広さに。野生に近い形でゾウを飼育する計画で、費用は26億円から30億円程度が見込まれています。

 しかし、ゾウの輸入交渉が止まっているため、ゾウ舎の建設計画も止まったまま。新しいゾウを迎えられない状況が続けば、この先、日本平動物園からゾウがいなくなってしまう可能性もあります。

伊東市70代女性:「我々の小さい時は、当たり前のように(ゾウが)いましたのでね、ほんと、そうなっちゃうと寂しいし、大変ですよね。子どもたちがゾウの存在が分からなくなってくる」

焼津市30代女性:「動物園と言ったらゾウさんという感じがするから、やっぱり新しい子が来てくれるといいですよね。(ゾウは)動物園の花形の動物だと思うから、何とか良い方法があるといいんですけどね」

 日本平動物園も人気者のゾウがいなくなる状況は避けたい思いですが、なかなか明るい材料は見当たりません。

日本平動物園 竹下秀人園長:「小さなお子様を始め、静岡市民多くの方々に、ゾウに対する気持ちというのをひしひしと感じているところがございますので、ゾウ・ライオン・キリンといった王道の動物は、人気は不動ですので、何とかゾウがいなくならないようにスタッフ一同努力していきたいと思います」

This article is a sponsored article by
''.