断水続く静岡市清水区に新たな悩み 災害ごみ、断水…影響は医療の現場にも

一部の小学校では27日から授業が再開しました。しかし、浸水被害で住民には新たな悩みが、そして長引く断水で病院に影響が出ています。

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断水続く清水区に新たな悩み 災害ごみ、断水…影響は医療の現場にも…

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住民を悩ませているのは断水以外にも

梅田航平記者:「大雨により氾濫した巴川近くにある静岡市清水区の押切地区です。こちらの公園には雨による浸水の影響で壊れた家具や畳などが公園一帯に大量に積み上げられています。なかには一部道路にはみ出しているものもあります」

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 地域の広い範囲で浸水被害が発生したことによる、大量の“災害ごみ”です。押切地区では、地域にある2つの公園に仮設のごみ置き場を開設。しかしごみは被災直後から大量に運び込まれ、いずれも満杯に。公園には搬入を禁止する貼り紙が貼られています。

押切地区自治会 
吉田秀明 会長:「1日の受け入れでほぼ満タンになってしまった。きのう午前中で一応受け入れ中止にした。ここの中は(ごみの種類を)分けてあるが、ただ最後になったらごちゃごちゃに。特に向こう側の道にどんどん増えてきた。通行するにも危ないということで、きのう午前11時半に受け入れを中止した」

梅田記者:「先程の公園から50メートルほど歩いてきたところです。こちらのお宅見てみますと、私の腰のあたりまで、1メートル以上水が浸かったといいます」

 こちらの住宅では床上浸水の被害が…。駐車場には処分を決めた家具や家電が大量に置かれていました。

押切地区住民:「きのうまでに(ゴミ置き場が)オーバーしちゃって受け付けてくれない。もう置けないから、どうしていいか路頭に迷っちゃう・・・」

 濡れてしまった畳は公園に持ち込めましたが、残りの処分に頭を悩ませていました。

 そこには “災害ごみ”の処理に関する静岡市の方針が関係しています。

静岡市環境局 
田嶋太 局長:「不燃・粗大ごみ、それから土砂など、こちらについては各自治会からの情報をもとに、地域ごとに順次、市で回収を行いますので、地域の公園などに排出するようにお願いします。また、排出する際には、不燃物、それから可燃・粗大ごみ、土砂等は必ず分別をお願いして行きたいと思います。それから清掃工場への持ち込みですが、今のところ市が回収したごみの処理を優先させていきたいと考えておりますので、当面の間は清掃工場への直接の持ち込みはなるべくご遠慮いただきたいと思います」

 静岡市は指定の仮置き場を開設する予定ですが、見通しは立っていないということです。28日以降、収集車を増やして回収作業を進めたいとしています。

断水による影響は病院にも

画像: 断水による影響は病院にも

静岡市立清水病院では医療行為で最も水を使う「透析」に必要な水が確保できないという事態に陥っています。さらに医療行為がなくてはならない患者が多いため、深刻な状況が続いています。

静岡市立清水病院 
上牧務 病院長:「いま消防車なども来てくれてこちらのタンクに入れてもらっているが、来て(水が)すぐなくなる。10トン車が1時間に一回来るか来ないかという感じでようやくそれで維持していてカツカツの状態」

 こちらの病院では一日およそ200トンの水が必要なため、現在診療に必要な量が確保できるまで24時間体制で病院の貯水タンクに水を入れ続けています。

静岡市立清水病院 
上牧務 病院長:「本当に水というのは大切なものだと実感した。本当にありがたい支援だと思っている」

人工透析の現場では

清水区にある「杉山クリニック」。こちらでは人工透析によって、およそ患者150人を治療しています。

画像: 人工透析の現場では

杉山壽一 院長:「透析はきれいな水と血液をダイアライザーという膜を通過させて血液を浄化していく。(1回で)最低限でも240リットルは必要になる。1人あたり」

 「水が命」とも言われる人工透析の治療。きれいな大量の水が欠かせません。患者の命に直結する水を確保するため、こちらの病院ではある備えが…。

Q:これは井戸?

杉山院長:「井戸です。余力があってまだこれだけ出ますので」

 断水時に備えて、用意していたのがこちらの井戸です。26日から周辺の病院から患者15人を受け入れて対応しています。

杉山院長:「ほんとに無用の長物のほうがいい。でもいまは作ってよかったと思っている」