大道芸W杯開催決定もアーティストの一部からは『不信感』 外国人差別発言でプロデューサー解任…開催可否を検討 /今週の静岡
大道芸W杯 猪股宏光委員長代理(15日):「(会議が)長時間になったんですけど、事態が事態なだけに。もう開催の方向で決まったので。市民の皆さんが待ちわびていると思うので、決定ということで決まりました」
プロデューサーが外国人差別発言で解任…開催が不透明に
今年の大道芸ワールドカップをめぐっては、プロデューサーが外国人への差別発言で解任されるなど、開催が不透明な状況になっていました。
奥野晃士プロデューサー(9月17日の講習会の音声)
「今年は『日本人だけ』を集めてやる。国内の最高峰の人たちを集めてやる。本当に中国とか見てるとルール無用の悪党たちみたいな感じにどうしてもなってくる。これは今に始まったことではなく、中国は易姓革命の皆殺し文化がずっとある」
ボランティアスタッフ向けの講習会での不適切な発言に加え、当日配布された資料には、中国のことわざを引用し、日本人が優れているという趣旨の記載も…。
これが公になると、SNSを中心に批判の声が多く集まり、会見で謝罪する事態となりました。
奥野晃士プロデューサー(7日):「大道芸ワールドカップは世界から多くの人が集まるイベントで、国籍・性別・年齢等に関わらず誰もが参加できるイベント。私の考えがあたかも大道芸ワールドカップの理念であるかのように誤解を与えてしまったことを本当に申し訳なく思っている」
大会開催の可否を検討
不適切な発言をした、プロデューサーの奥野氏は解任になり、実行委員長である杉山茂之氏も自身の辞任を発表。猪股副委員長が委員長代理として、大会開催の可否を判断するとしていました。
実行委員会はボランティアやスポンサーなどへ意向を確認し、継続する意思を示したことなどから開催を正式に決定しました。
大道芸W杯実行員会 大長克哉事務局長:「大道芸ワールドカップin静岡2022は、予定通り開催をするということで決定をいたしました。アーティストの皆さんにも個別に、事情説明を致しまして、意見交換を進めておりました。今回33組のアーティストがご出演予定でしたけれども、そのうち2組から、今、保留をしたいということを伺っております。それぞれ理由はいろいろあるが、まだ納得できていない方もいらっしゃれば、ちょっと個人的な理由で見合わせたいという方がいらっしゃいます」
Q.納得できていないのは何に対して?
A.「この前のプロデューサーの発言が、非常に差別につながる発言だったので、そういったものに自分が関わっていく事がいいのかどうなのかっていうことをお考えになっている」
会見では、今後の再発防止策として、実行委員会全体を管理する「組織管理グループ」を設置したことを明らかにしました。また、前プロデューサーの奥野氏が携わっていたオープニングセレモニーには中止に。クロージングセレモニーは演出を一部変更し、大会は来月5日の土曜から2日間行われるということです。
静岡市民は
20代:「やるんだったら自分も見てみたい。コロナ禍もいろいろあったし、そういうことで盛り上がっていけたらいいと思う」
30代:「100%心配ないとは言い切れないけど、私は、またああいう賑わったのを見たい思いがあるので、大丈夫だと思う」
不信感募らすアーティストも
一方、一部のアーティストは委員会に対し不信感を募らせています。
出演予定のアーティスト 渡邊翼さん(15日):「問題としては奥野さんの不適切な発言。これは許せませんし、良くないと思うが、そこだけではなくて、体制に問題がある。9月17日に資料と不適切な発言と、かなり危ういというか、ほぼアウトの内容の資料が出ていたわけです。その時点で、(実行委員会は)まずいことになったと認識しているはずですし、実行委員の方いろんな方がいると思うが、早い話『問題が起きたことを問題視している』ようにしか見えない」
こう話すのは、静岡市出身のディアボロアーティストの渡邊翼さん。渡邊さんは、ショーを楽しみにしてくれている人たちのためとして、一旦は出演を決めました。しかし、その後の実行委員会からの対応に不信感を募らせ、自身の出演について再考しているとしています。
新体制で信頼は回復できるのか。大道芸ワールドカップの開催は、2週間後です。