【音声独自入手】保育士1歳児虐待問題、保育士は直接の謝罪なし 説明会で保護者の怒り爆発 市は刑事告発検討 静岡・裾野市

静岡県裾野市の保育園で複数の保育士が1歳児に虐待を繰り返していた問題。園の説明会で保護者は怒りをあらわにし、市は会見で刑事告発も検討すると話しました。

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【音声独自入手】保育士1歳児虐待問題、保育士は直接の謝罪なし 説明会で保護者の怒り爆発 市は刑事告発検討 静岡・裾野市

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説明会の音声を独自入手

さくら保育園 櫻井利彦園長:
「大切なお子さんの尊厳を傷つけてしまったこと、保護者の皆さんに大変なご迷惑ご心配をお掛けしたことに深くお詫び申し上げます。誠にすみませんでした」

 説明会は冒頭のみ報道陣にも公開され、その後は非公開に。虐待をしたとされる保育士3人は出席しませんでした。

 番組では説明会の音声を独自に入手しました。

画像: 説明会の音声を独自入手

悪質な行為が数々

さくら保育園 櫻井利彦園長:
「本日の説明会に至るまで、長い時間を要してしまいましたが、本件にかかる一部事案が弁護士同士の話し合いが行われている背景があり、ここまで説明が遅くなってしまったことをお詫び申し上げます」

 櫻井園長は8月に事案を把握してから3カ月以上も、保護者に対して説明する機会を持てなかった理由をこう釈明し、謝罪しました。

 その後語られたのは、3人の保育士による悪質な行為の数々です。

さくら保育園 櫻井利彦園長:
「A、常勤保育士、クラス責任者。B、非常勤保育士。C、派遣保育士。泣いている園児の写真を撮って笑ったA・B保育士。登園が遅い児童に『なぜ遅い?』と怒鳴ったB保育士。午睡(昼寝)中の園児に対し、『ご臨終です』と言ったA保育士。園児を探す機会に容姿を誹謗するような言葉を言ったA・B保育士。園児の足をつかみ、宙づりにしたB保育士。タオルで園児の頭を叩いたC保育士。給食を食べない園児に対し、頬をつねる行為をしたA・B保育士。倉庫や排泄室に園児を入れたA・B保育士」

(保護者):「胸くそ悪いな」

 1歳の幼い子どもへの虐待が日常的に行われていたことをうかがわせます。

 さらに…。

さくら保育園 櫻井利彦園長:
「園児をにらみ、ズボンを無理やり降ろしたB保育士。感染症の症状がある園児のおしりを他の園児に触らせたB保育士。園児の前で刃物を出したB保育士。どれ一つ取っても、絶対にやってはならない行為、絶対に許せない行為です。この行為を見て泣いている児童もいました。見ることで精神的な不安を感じて、泣いていた児童もいます。すべての園児が被害者です。すべての子どもたち、保護者の皆様に深くお詫びを申し上げます」

画像: 悪質な行為が数々

保護者の怒りが爆発。説明会は紛糾。

保護者:
「退職勧告、休職とか、懲戒免職じゃないんでしょうか。甘すぎるんじゃないと正直思うんですよ。私たち大事な子どもを預けていて、信用して。倉庫に閉じ込めるとか、1歳ですよ、まだ何にもわからない。そんな保育士、保育士免許?奪でしょ。保育する資格ないでしょ。ニュースで報道されていたことより、よっぽどひどいことをしているじゃないですか。宙づりにするとか、ご臨終だとか、自分の子どもがそんなことをされていたらと思ったら…。どう思います?自分の子どもがそういうことをされていたとしたら、なんで3・4カ月間何も言わないで黙っていたんですか。よく笑顔で私たち親に接することができたと思います」

さくら保育園 櫻井利彦園長:「(沈黙)」

保護者:
「何人子どもが虐待されていたのかは把握できていますか?全員ですか?」

さくら保育園 櫻井利彦園長:
「私はさっき言った…、精神的な傷は本当に大きいと思います。そういう意味では全員の子が虐待を受けていたんだと」

保護者:
「身体的な虐待を受けていた人を把握しているんですか?って。精神的はもちろんですよね、全員ですよ。泣いていた子もいたと聞いたから」

さくら保育園 櫻井利彦園長:
「具体的な子までは…」

保護者:
「そんなのも把握されずにこういう話をされているんですか?表面上だけの再発防止策だけ述べて」

画像: 保護者の怒りが爆発。説明会は紛糾。

保育士が直接謝罪すべきとの意見も

保護者:
「あなたにぶつけたところで正当な、求めている返事は何も来ないし、だったらもう当事者3人。ここに連れて来てよ、今すぐここに。連絡をして(園長は)何言っても私の責任です。そんなんで収まると思っているんですか?」

さくら保育園 櫻井利彦園長:
「本当に申し訳ありません。まずは管理者の責任だと思っていますので」

保護者:
「早く説明してください。謝罪はたくさん聞きました」

さくら保育園 櫻井利彦園長:
「1人は連絡も取れない」

保護者:
「は?なぜですか?」

保護者:
「何を守っているんだよ」

保護者:
「そもそも発覚してから、ちょっと伸びすぎですよね。あまりにも」

保護者:
「隠そうとでもしたんですか?ばれなきゃいいやって」

保護者:
「最初隠ぺいしようとしていたんですよね?」

園の職員:
「そのような事実はございません」

保護者:
「なんでうちの子どもたちを守れないのに、加害者を守っているんですか」

保護者:
「あしたから私たちはどういう気持ちで預ければいいんですか。こんなモヤモヤしたまま、朝になったら連れてかなきゃいけない人はいっぱいいるんですよ」

さくら保育園 櫻井利彦園長:
「信じていただくしかないです、本当にこういう状況になって信用は…、ないのはわかっています。でも僕らも職員もこれから本当にいい保育をしていこうと、やっていこうという中で…、信じてもらうしかないんです」

画像: 保育士が直接謝罪すべきとの意見も

出席した保護者からは

保護者:
「ニュースで報道されていたよりも、もっとひどい内容だった。もう人間のすることじゃないだろという、誰も納得してなかったし、みんな怒っていた。泣いている親御さんもいっぱいいた。ごめんなさい、すみません、申し訳ございません、しか言わない。ただ謝るだけの保護者会。誰一人納得してないと思う」

保護者:
「実際どうしてそういうことを、どういう理由でしたんですか?といった理由が伺えなかったので、ちょっと腑に落ちないところがいろいろとある。僕の息子がそういった目に遭った可能性があるので、そういった意味でもすごく不安が残る説明だった」

 一方、説明会終了後に取材に応じた園長は…。

さくら保育園 櫻井利彦園長:
「やっぱり当事者が来て謝罪するのが当然だろうということで。次もし(説明会が)あるのであれば、当事者を連れてきて、それはもう園長約束してくれと。そういう要望であれば、当然のことだと思うし、そのようにしたいと思っている。園としては本当にみんなで話し合って見直して、いい保育園をつくりたいので。でも今、1歳の子どもが受けた気持ちというのは本当に忘れないと思う。やっぱりそこは寄り添って今後も子どもたちを見守っていきたいなと思っている」

画像: 出席した保護者からは

「刑事告発すべきと考えている」

30日午後、臨時会見を開いた裾野市の村田悠市長は。

裾野市 村田悠市長:
「園に通う児童と保護者をはじめ、市民の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことに私立保育園を指導する立場として、そして町の宝である児童を守れなかったことに対して深くお詫びを申し上げます。大変申し訳ございませんでした」

 また、さくら保育園の園長が10月、職員に対して今回の事案を口外しないように誓約書を書かせていたことも新たにわかりました。

 会見で村田市長は「虐待であり、犯罪でもあるのではないか」との認識を示し、刑事告発を視野に検討する考えを明らかにしました。

裾野市 村田悠市長:
「やはり私は今回のやったことを調査して、これが明らかになって事実確認ができれば、虐待だと認定できると思っているので、それをもって刑事告発すべきと考えている。私はこれは犯罪であるのではないかと強く思っている」

画像: 「刑事告発すべきと考えている」