トップらに聞く『今年の観光・旅行業の展望』 3月には静岡-ソウル便運航再開…川勝知事「大変な朗報」 静岡
静岡の空の玄関口「富士山静岡空港」。新型コロナ禍で全便欠航していた国際線の定期便が、3月、およそ3年ぶりに運行を再開します。今回、再開するのは韓国のチェジュ航空の静岡-ソウル便で、3月26日から当面、静岡空港とインチョン空港を、水曜・金曜・日曜の週3回往復。予約状況によっては増便も検討しています。
ソウル便再開は「大変な朗報」
2019年度に最多の74万人の搭乗者数を記録した矢先に、コロナ禍に突入。国際線だけでなく、国内線でも欠航が相次ぎ、2020年度の搭乗者は、前年のおよそ84%減の12万人でした。
富士山静岡空港 航空営業ライン 田倉義弘ライン長:「緊急事態宣言の時など、飛行機が飛んでいない時期もあった。この空港は搭乗客のお客様以外、見学者のお客様も結構多かったので、そういった県民の皆様に支えていただきながら、なんとかこの時期をやり過ごしていた」
現在、静岡空港の国際線定期便は、中国・韓国・台湾を結ぶ7路線。その先頭を切ってのソウル便の再開に、川勝知事も大きな期待を寄せています。
静岡県 川勝平太知事:「ようやくですね。待ちに待ったこのチェジュ航空、週3日ではありますけれども、国際線再開ということで、大変な朗報で喜んでおります。特に観光は、静岡県の今推進している重要な分野の一つでございますから、ここが活気づくというのは、非常にいいと思っておりまして、経済効果も小さからぬものがあるというように思っております」
旅行業界今年の展望は…
11日、静岡市で開かれた賀詞交歓会。参加したのは県内の旅行や観光業界の関係者、およそ100人です。
静岡県旅行業協会 遠藤勝久会長:「新型コロナウイルス感染症防止策を十分に講じながら、様々な旅行を強く再開し、県内旅行業者に活力を取り戻していく年とする希望を新たに感じている」
「昨年末から動きが活発に」「夏か秋には19年度並みに」
今年はコロナ禍から脱却するターニングポイントとなりうるのか、業界関係者が見据える2023年の展望は…。
富士山静岡空港 西村等社長:「ようやく国際線が再開と、その一歩を踏み出したかなと思っているので、我々が期待するのは今年の夏とか秋とかそれぐらいに19年度並みぐらいまで(利用者が)戻ってくるようになればいいと思う。(韓国は)一番行きやすいところかなと思っているので、皆さんにご利用いただければありがたいし、ぜひお願いしたい」
政府が水際対策を緩和した去年10月以降、訪日外国人観光客は徐々に回復傾向。静岡空港は順次国際線を再開させたい考えで、夏頃までに台北便の再開を目指すとしています。
一方、国内の旅行需要について、県内旅行会社や代理店はどう捉えているのでしょうか。
遠州鉄道企画販売課 服部光真課長:「従前と違うのは行動制限がかからないとか、移動の制限がかからない中で、旅行も成立するし、私どももどちらかというとバスツアーを今造成していて、隣に人が来る、相席が中々できないとか、いろいろ制約を受けながら事業展開していたが、今後に向けてはコロナ前の状況になるべく近づく環境に転じてくるのではないかと思う。(旅行支援が終わっても)安心して旅行できる環境が整えば、だいぶ飛躍してくるのではないか」
ハマカントラベル 太田惣太郎社長:「ウィズコロナが定着してきて、少しずつ、昨年末くらいから動きが活発化されてきているのは事実です」
Q.旅行支援が終わった後の国内需要はどう捉えている?
A.「非常に私たちもその点は気になるけど、業務出張とかも含めて動きは必ず出てくると思う。国が何かしら手を打ってくれることを期待する。動きは必ず出てくると思うのでそれを期待する」
全国旅行業協会静岡支部 渡井浩昭支部長(フジワールド企画代表取締役):「インバウンドはルールを守って来ていただくのは大歓迎だけど、水際対策はしっかりやってもらわないと、我々がそれに道連れになってしまうことは避けていただきたいところはある。今コロナがあっても気をつけながら出ようという感覚がかなり身についてきている気がするので、好転している気がする。今年(コロナ禍の低調を)埋めるのは難しいけど、6~7割まで持ってきたい」
県も13日から独自の旅行支援策をスタートさせ、需要を喚起していきたい考えです。
静岡県スポーツ・文化観光部 京極仁志部長:「(日本へのビザなし渡航が)去年10月に解禁になったとはいえ、まだまだこれからという感じなので、これからが、今年が期待されるインバウンドの年かと思う。これから静岡空港も含めてインバウンド再開の年になっていくと思っている」