古文書の写しに書かれた花押が源頼朝の弟・阿野全成のものである可能性が 鎌倉初期の歴史的発見か 静岡・熱海市

静岡県熱海市の伊豆山神社に保管されている古文書の写しに書かれた花押=サインが源頼朝の弟である僧侶・阿野全成のものの可能性が高いことが分かり、市の教育委員会が発表しました。

画像: 古文書の写しに書かれた花押が源頼朝の弟・阿野全成のものである可能性が 鎌倉初期の歴史的発見か 静岡・熱海市 youtu.be

古文書の写しに書かれた花押が源頼朝の弟・阿野全成のものである可能性が 鎌倉初期の歴史的発見か 静岡・熱海市

youtu.be

熱海市教育委員会 学芸員・栗木崇さん:
「阿野全成さんがこういった活動をしているということは今まで全く考えられてなかったと思いますので、支配のあり方というか、そういったものの理解が変わってくるんじゃないかと思います」

 注目されているのは、伊豆山郷土資料館で展示されている、鎌倉時代初期に現在の神奈川県小田原市の土地が、神社に寄進された際の書状の写しに書かれた花押です。

 明治大学の研究者から、長野県に伝わる文書(市河文書「醍醐寺全成下文」 所蔵 本間美術館・山形県酒田市)にある源頼朝の弟で僧侶だった阿野全成の花押とよく似ているという指摘があり、全成のものの可能性が高い事が分かりました。

 学芸員の栗木さんは「全成が政治的な役割を果たしていた事になると、鎌倉初期の歴史を変える発見になる」と言います。

 ただ、この資料の原本は見つかっておらず、写しが作られたのは昭和前期とされています。

 研究者は「偽の文書である可能性は否定できないが、当時はまだ公開されていなかった全成の花押を写すことは極めて困難」と分析しています。

 熱海市では今後写しが作成された経緯や、他の文書の状況など、裏付けのための調査を続けるということです。

 この文書は5月9日まで展示されています。