【静岡夏の高校野球】注目カードを紹介!【組み合わせ決定】
シード校の初戦が熱い!?
静岡大会の組み合わせ抽選会が6月26日に行われました。
各ブロックに強豪校が散らばりましたが、シード校の初戦が今大会を占うポイントとなるでしょう。
まず第1シードの加藤学園は甲子園出場経験のある桐陽と昨夏ベスト8の三島北の勝者と初戦を迎えます。主将の太田侑希は「どこが相手でもやるべきことをやっていきたい」と気を引き締めています。春の東海大会後から6月18日まで強化練習を行い、夏の暑さに耐えられる体力を養ってきたとのこと。万全の状態で初戦を迎えます。
昨年の覇者・日大三島は天竜と知徳の勝者と対決します。知徳は身長197センチの大型右腕・小船翼を擁して昨秋ベスト4の実力校。春の東部大会では日大三島に敗れていますが、1点差の好ゲームを繰り広げています。
一方の天竜も侮れません。昨夏は初戦で浜松西を撃破。その試合で1失点完投したサイド右腕・藤田響輝は打者の内角を強気に攻めてフライアウトを稼いでいくタイプで、ハマったら厄介な投手です。
今春センバツ出場した常葉大菊川の初戦の相手も難敵です。駿河総合、袋井の勝者とぶつかりますが、ともにシード校に迫るポテンシャルを持っています。
駿河総合は下級生時から出場する強肩捕手の石川昊、守備範囲の広い二塁手の秋山大輝、トップバッターの池田理玖ら個々の力が高いです。対する袋井も好左腕の矢野拓海、パワーピッチャーの荻原拓実が2本柱を形成。常葉大菊川への挑戦権をかけた1回戦屈指の好カードです。
また、昨夏準優勝の静清は初戦を突破すると、2回戦でシード校の掛川西とぶつかります。昨秋、今春ともに常葉大菊川に敗れていますが、昨夏のベンチ入りメンバー8人が残る総合力の高いチーム。主将の松井空は「あと2週間。絶対に優勝する気持ちでやる」と意気込んでいます。
初戦から見逃せないカード目白押し
1回戦では藤枝東対静岡商が楽しみです。ここ数年、サッカーだけでなく、野球のレベルも上がっている藤枝東。昨年から強豪校と互角に渡り合ってきています。対する静岡商は、OBの曲田雄三監督が就任して3年目。緻密でスキのない野球が浸透してきています。昨秋の中部大会では静岡商が逆転で勝利(3対1)。果たして今回はどんな展開になるのか必見です。
浜松大平台対常葉大橘のカードも見逃せません。昨秋県準優勝の常葉大橘に挑む浜松大平台。今春就任した直井勇人監督は3月末まで静岡の部長を務めていました。金星を挙げることができれば、2回戦で古巣の静岡との対戦が実現します。
さらには島田商対静岡学園、城南静岡対浜松商、浜松市立対清水桜が丘など実力伯仲。大会序盤から熱戦が期待できます。
著者 栗山司
くりやま・つかさ 1977年、静岡県生まれ。スポーツライター・編集者。雑誌『野球小僧』の編集者を経てフリーに。2012年に地元・静岡に根差した野球雑誌『静岡高校野球』を自費出版で立ち上げ、年2回発行。ブログ『静岡野球スカウティングレポート』(http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/)でも県内の野球情報を発信する。
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