静岡空港復活へ(後)カギ握るのは会社収益の半分占める「免税店」 心待ちは「中国便の再開」
伊地アナ:「免税店なんですが、本当に色んなジャンルのものがありますね、あちらが化粧品でしょ。お酒、すごい時計まであるんだ」
富士山静岡空港ターミナル営業部 岡山玲夏さん:「カウンターが増えたことで、手続きが短くなって免税店に入る時間が早くなったのではないかと思っていて、それによって売り上げにもつながるのではと思っています」
いま、国際線は週3便の韓国便にとどまっていますが、利用客のニーズに合わせて、商品を揃えていて、日本のお酒が大人気だといいます。
伊地アナ:「これは県内のお酒ですね、花の舞・純米大吟醸5500円。浜松酒造・家康の大望、島田の鬼ころし大吟醸、この辺の静岡のお酒は売れている?」
富士山静岡空港ターミナル営業部 岡山玲夏さん:「はい、売れています。静岡産のお酒を探す方もかなり多いです」
店内を見回すと、驚きの品も。
伊地アナ:「僕びっくりしたのが、免税店にこんなものがあるのかと、赤ちゃん用の哺乳瓶ですか?」
岡山さん:「日本製というと安全安心が認識されているので、わざわざ日本に来て、こういう商品を買う方もいる」
他にも海外の方に人気なのが、こんにゃくを使ったゼリー。手軽なお土産として選ばれているそうです。
空港会社の収益の半分が「免税売店の売り上げ」
実は免税店は開港時よりも面積を拡げていて、海外からのお客さんが、日本のどんなものに興味を持っているのか、調査や品ぞろえをするマーケティングにも力を入れています。その理由について富士山静岡空港の西村社長は…
富士山静岡空港 西村等社長:「私どもの免税売店の売り上げが、実は会社収益の半分」
伊地アナ:「免税店が5割は非常に驚きだが、そこに理由が?」
富士山静岡空港 西村等社長:「中国便の比率が高いということ。これは他の地方空港ではなかなかない現状だと思う」
国際線は、これまで最大で週29便が運航していましたが、新型コロナの影響で現在週3便に激減。およそ8割を占めていた中国便は、再開のめどが立っていませんでした。
富士山静岡空港 西村等社長:「国際線がここまで再開が長引いたというのは非常に厳しくて、そういう意味で会社の経営自体も非常に厳しいというのが正直なところ」
ラーメン店も「中国便の再開を…」
中国便の再開を願っているのは、免税店だけではありません。島田市に拠点をもつラーメン店「?屋 燕」です。コロナ前から、海外のお客さんを受け入れる準備をしてきました。
?屋 燕 富士山静岡空港店 澤口雄磨店長:「まずは国際線(中国便)が再開してくれることを願っています。中国の方は、すごくラーメンを食べるらしい。やっぱり静岡の玄関口だと思っているので、この店発信で全国、海外にどんどん知れ渡ってくれたらありがたい」
数ある「燕」のお店の中でも、この空港の店でしか食べられないという限定メニューが今人気なんだそうです。
伊地アナ:「いや、おいしそうなラーメンですね。見てください、これが「静岡鰹味噌ラーメン」(950円)なんだそうです。いただきます」
これ、県内で江戸時代につくられていたものと同じという味噌と、これまた伝統製法で作られたかつおぶしをスープにしたという、静岡をいっぱいに感じられる一杯です。
伊地アナ:「これはおいしいです。ちょっとあっさりめなんですけど、どこか上品なみそがコクも感じさせて、スープと麺がすごい合う」
ショールームを新設
空港3階には、コロナ禍にショールームを新設しました。静岡と山梨の工芸品を見ることができるほか、特産のワインや地酒、高級緑茶の試飲も楽しめるなど、待つ人を飽きさせない試みも…。
課題は
そんな、富士山静岡空港の今後の課題とは…
富士山静岡空港 西村等社長:「収益の多様化を図っていかないといけないのは元々の課題でもあった。私ども、観光部門を立ち上げまして、空港見学ツアー(を始めた)。今までの統計ですと、旅客者よりも見学者の方が多いという数字が出ている」
そのため、静岡空港では、積極的にイベントを行い収益につなげてきました。
西村等社長:「路線の誘致、アクセスの改善とか、我々は民間ですので、トライアンドエラーでやっていけると思っている。関西から首都圏までのゴールデンルートの中に静岡空港は位置しているので、そういう部分では地理的なポテンシャルはすごく高い。元気出すしかないですからね。下を向いてもしょうがない、「空港」ですので。やっぱり空を見ないといけないと思いながらやっています」
(8月12日放送)