横浜中華街仕込みの「縁」が結ぶ、静岡・人宿町の熱き中華魂
静岡市葵区、個性あふれる店が集まる人宿町人情通りに、今年の8月、新たな中国料理の旗手が誕生した。「Chinese dining 縁(えん)」だ。店主の中山達也さんは、横浜中華街で10年近く修業を積んだ確かな腕の持ち主。地元静岡での開店を熱望し、念願の店を構えた。
オープンからわずか3ヶ月で、早くも人気を集めているランチメニューの筆頭は「チャーハン」だ。卵とネギのシンプルな具材構成で、塩こしょうと少しの醤油で味付けされている。このシンプルさが、実は計算されたもの。チャーハンセットには麻婆豆腐がセットで付いてくるため、麻婆豆腐と一緒に食べることで、その旨さが際立つように作られているのだ。ピリ辛な麻婆豆腐との相性は抜群で、食べる手が止まらない美味しさだという。
チャーハンと並んでランチで人気なのが「油淋鶏(ユーリンチー)」。肉を低温で揚げた後、さらに高温で二度揚げするという丁寧な仕事で、中はジューシー、外はカリッと仕上げられている。タレは、一般的な白酢ではなく、店主が個人的に好きだという黒酢を使用。黒酢を使うことで、酸味がまろやかになり、あふれる肉汁とコクのある黒酢の相性は抜群。噛むほどに旨味が感じられる、完成度の高い一品だ。
夜の部を代表する看板メニューが「自慢の黒酢酢豚」。具材は肉をメインにするという潔さ。添えられたサツマイモチップスとレンコンチップスがカリッとした食感を加えており、柔らかい豚肉と根菜チップスを一緒に食べることで、異なる食感が一度に楽しめる。企業秘密の黒酢餡が口いっぱいに広がり、満足感のある一皿だ。
そして、横浜中華街で腕を磨いた店主の真骨頂ともいえるのが、ディナーで外せない「麻婆豆腐」。ひき肉は粗挽きを使用し、肉の食感も楽しめるように工夫されている。豆板醤やニンニクが効いた味噌に、豆腐とネギを加えて仕上げる際、自家製の「薬膳ラー油」が最後の決め手となる。セロリなどを入れてネギ油を抽出し、数種類の薬膳を加えて作られたラー油は、一日寝かせて薬膳の香りを出しているという。自家製ラー油はしっかりと辛い上に、薬膳の香りが複雑なアクセントとなり、一度食べたらやみつきになること間違いなしの逸品だ。
本格的な中華をカジュアルに楽しめる店づくりを目指す「チャイニーズダイニング 縁」。その一皿一皿には、修業時代に培った技術と、地元静岡への熱い思い、そして人との「縁」を大切にする店主の心意気が込められている。
Chinese dining 縁
静岡市葵区人宿町2丁目4-6
電話番号:070-9080-6860
定休日: 不定休
営業時間:平日11:30~14:00 (L.O13:30)/ 17:00~24:00 (L.O23:30)
土日祝 16:00~24:00(L.O23:30)
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