【静岡高校野球】【組み合わせ決定】1回戦の注目カードを紹介!

浜松開誠館の相手は常葉大菊川か、静岡学園か?

 静岡大会の組み合わせ抽選会が26日に行われた。昨年までのシード8校から今年は16校へ。大会序盤の強豪同士の対戦は減ったものの、好カードが決まって何度か会場がどよめくシーンがあった。
 まず、前年優勝で連覇を狙う浜松開誠館の横に入ったのが常葉大菊川と静岡学園だ。
 常葉大菊川はノーシードから頂点を見据えている。昨秋は県準々決勝、今春は県2回戦で敗退。ともに完封負けを喫したが、潜在能力は高い。投手はパワーピッチャーの小澤凜登に加え、2年生左腕の石黒巧と大村昂輝が成長。ここに故障からの復帰を目指す左腕の久保綾哉が戻ってくれば厚みが増す。打線の中心は身長187センチの2年生スラッガー・橘木千空。昨春の甲子園を経験した鈴木徠空、勝亦望向が周りを固める。主将の山下結風は「バッティング、守備に加え、相手を観察する力も養ってきた。1戦1戦、全力でぶつかっていく」と意気込む。

故障からの復帰を目指す常葉大菊川の久保綾哉
故障からの復帰を目指す常葉大菊川の久保綾哉

 強豪・関東一でプレーした長谷川直樹監督が就任した静岡学園も侮れない。今春は5年ぶりに県大会出場。エース・中山直央翔は巧みに緩急を使って打てそうで打てないタイプの右腕で打者を翻弄する。投手陣が踏ん張り、終盤勝負に持ち込みたい。

進学校対決、焼津ダービーも!

 1回戦屈指のカードは聖隷クリストファー対島田商。両チームは昨年夏と秋に対戦経験があり、聖隷クリストファーが勝利しているが、どちらの試合も接戦。実力が拮抗している。聖隷クリストファーは名将・上村敏正監督のもと、今年も「頭とハートを使う野球」でスキがない。一方の島田商には救世主が現れた。昨秋はベンチ外だった山野煌真がエースに急浮上。全身を使ったエネルギッシュがフォームから勢いのある球を投げ込む。受ける捕手の松浦雄希の強肩も見逃せない。
 勝者は46年ぶりにシード校の川根と対戦する。

初戦で対戦する島田商・松永大翔主将(左)と聖隷クリストファー・井上侑主将(右)
初戦で対戦する島田商・松永大翔主将(左)と聖隷クリストファー・井上侑主将(右)

 浜松北と韮山は進学校対決となった。ともに、選手たちで方向性を考えながら取り組む似通ったチームカラー。勝てば第1シードの加藤学園が待っている。
 焼津水産と焼津中央の「焼津ダービー」も必見。毎年、定期戦を行っている間柄で負けられない意地と意地のぶつかり合いになる。会場の焼津球場が盛り上がるのは間違いない。
 熱海対裾野は縁を感じる対決となった。部員不足により、両校は昨秋、今春ともに合同チームを組んで大会に出場。裾野は1年生が入部したことで単独出場が可能となり、熱海は「部員不足による大会参加の特別措置」を活用して沼津商からの選手派遣で選手数を補う。一緒に汗を流してきた仲間同士の全力のぶつかり合いに注目が集まる。
 その他、ともに好左腕を擁する沼津商対富士宮北や、社会人野球を経験した監督同士の采配が楽しみな富士市立対静清も好カード。かつて静清を甲子園に導いた金城成久監督が就任した静岡北は浜松大平台と対戦。6年ぶりに単独出場の浜松湖北佐久間分校は浜松湖東に挑む。また、今年1月に急逝した森下知幸監督の遺志を受け継ぐ御殿場西は遠江総合と激突する。

抽選を引く浜松湖北佐久間分校の赤石颯飛主将
抽選を引く浜松湖北佐久間分校の赤石颯飛主将

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著者 栗山司
くりやま・つかさ 1977年、静岡県生まれ。スポーツライター・編集者。雑誌『野球小僧』の編集者を経てフリーに。2012年に地元・静岡に根差した野球雑誌『静岡高校野球』を自費出版で立ち上げ、年2~3回発行。ブログ『静岡野球スカウティングレポート』(
http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/
) でも県内の野球情報を発信する。
「静岡高校野球2024夏直前号」が現在発売中。お求めは静岡県内書店にて。
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