【静岡高校野球】夏の注目選手紹介【野手編】
この夏を沸かせる強打者は!?
浜松開誠館の強力打線は今年も健在だ。上位から下位まで体格の良い選手が揃い、どこからでも得点を奪うことができる。中心となるのが主砲の加藤蔵之介。ミート力とパワーを兼ね備える強打者だ。
スイングの豪快さなら御殿場西も負けていない。春の県予選では、小船翼に18三振を喫したものの、最後まで怯むことなく、果敢に振りにいった。名古竣祐、竹下颯人、土屋綸、岡本祐汰と並ぶ打線は破壊力がある。
県ナンバーワンスラッガーの呼び声が高いのが曽布川ザイレン(浜松商)。高校通算20本塁打以上を誇り、10メートルほど飛距離が落ちるとされる新規格のバットでもスタンドに放り込む。春から夏にかけてプロのスカウトも視察するなど注目度が高まっている。
中野桜佑(静岡)も必見。鋭くバットを振り抜いて外野の間を破っていく。春の東海大会では本塁打を放つ活躍。大舞台にも強い。その中野とともに静岡のクリーアップを打つ和田琉汰と石垣拳も力強いスイングを見せる。
走攻守の三拍子が揃うのが一瀬友希(藤枝明誠)。左右の両方向に打ち分ける打撃は確実性があり、二塁の守備も堅実。50m走6秒台前半の脚力も光る。
岸川和広(東海大静岡翔洋)は巧みなバットコントロールで安打を量産する。リラックスした構えから、バットのしなりをきかせたスイングで内角のストレートをさばく。
勝負強い打者&強肩捕手
勝負強さなら藤井優宗(袋井)。昨夏の県大会でサヨナラ本塁打を放ち、秋も2打席連続本塁打。集中力があり、一球で仕留める。
増井裕哉監督が「大会に強く、お祭り男」と話す小粥獅峯(浜松工)もチャンスで滅法強い。ここ一番の場面で必ず結果を出してくる。
最後に強肩捕手を2人紹介したい。
一人目は1年夏から、同級生の村上明来とバッテリーを組んできた榑松陽大(小笠)。二塁送球タイムは1.80秒台。少しでも飛び出した走者を刺しにいく。肩だけではなく、観察力にも長けている。
堀内陽太(浜松城北工)も鉄砲肩の持ち主。本人が憧れる甲斐拓也(ソフトバンク)のような二塁に向かって、低く伸びる送球を投げる。春の大会後、胸郭出口症候群に苦しむもほぼ回復。「チーム目標のベスト8に向けて、いつでも刺せる準備をしていきたい」と気持ちをたかぶらせる。
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著者 栗山司
くりやま・つかさ 1977年、静岡県生まれ。スポーツライター・編集者。雑誌『野球小僧』の編集者を経てフリーに。2012年に地元・静岡に根差した野球雑誌『静岡高校野球』を自費出版で立ち上げ、年2~3回発行。ブログ『静岡野球スカウティングレポート』(
http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/
) でも県内の野球情報を発信する。
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