土石流災害…市民それぞれの思い(2) 「思い出の地が一変」「いつか乗り越えられる」 静岡・熱海市
その時お邪魔したのは、伊豆山地区の被災したエリアからおよそ1.5km離れた市街地エリア。 少し離れた地域ですが、影響が全くなかったわけではありませんでした。
「ただ事じゃない」
熱海で130年以上続く杉本鰹節商店。ご主人が発災当日の状況を教えてくれました。
ご主人「最初は土石流とわからなくて、土砂崩れと聞いた。そんなに被害がないと思っていた。SNSの画像が流れてきて、ただ事じゃないなと。被害にあった方が心配、助けてあげたい。熱海全体でみると神奈川までの道が封鎖されたり、町を歩く人も少なくなった。復旧まで長い時間がかかると思う。ひと段落したら熱海にきてもらうのが一番」
思い出の地が一変…大きなショック
続いては熱海で50年以上続く静岡茶専門店・茶千。 パワフルなご主人は熱海の名物店主です。
そんな店主にも話を伺いました。
店主「子どもの時、あそこはよく遊んでたところ。だからテレビ見た時、ああここも幼馴染と遊んだところだと思って」
伊豆山地区は、店主が小学校の頃よく遊びにいった場所。思い出の地が一変してしまったことに、大きなショックを受けているそうです。
店主「自然の力って怖い。つくづく今まで甘く見てた。ああいうことが起きると自分がどうしたらいいか、後の人生どう生きるか次元が変わってきた」
「初めて命の危険を感じた、と話していた」
2カ月前のロケでは、熱海一のパワースポット、来宮神社にも伺いました。宮司も、伊豆山地区について話をしてくれました。
宮司さん「幼馴染が伊豆山地区に住んでいて、その友人の目の前に土石流が流れてきた。友人の家には高齢の方がいて、その高齢のおばあちゃんをおんぶして逃げた。初めて命の危険を感じたと話していた。今は被災された方は、何も考えられずにつらい日々を送っていると思うが、いつか乗り越えられる。ともに、一緒に立ち上がっていきたい」
そんな宮司さんは、発災から毎朝救助活動の安全と伊豆山地区の復興を祈願しています。さらに、境内には地元の人の参拝がこれまでよりも増えたといいます。
取材の日にも―
須藤アナ「何をお願いされた?」
参拝した男性「3年半前に東京から熱海が好きで引っ越してきた。今回の災害を知って胸が熱くなった。何もできないが、今週から毎日神様にお願いしている。1日も早く収まるように、何ができるわけではないが、できることはこれくらいとお参りさせていただきました」