静岡・熱海土石流災害 避難者の一時帰宅再開 思い出のものを持ち帰る

土石流の大きな被害を受けた熱海市の現場では、およそ1ヵ月ぶりに避難者の一時帰宅が再開されました。

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静岡・熱海土石流災害 避難者の一時帰宅再開 思い出のものを持ち帰る

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高橋諒 記者:「強い日差しが降りつける中、きょうも民間の重機を使って行方不明者の捜索活動や土砂の撤去作業が行われている」

【行方不明者捜索 続く】

きょう11日も現場は厳しい暑さの中、民間の重機を使いながら警察が中心となって行方不明者の捜索が行われました。
土石流による死者は、これまでに22人確認され、発災から1ヵ月以上が経過した今もなお5人の行方が、わかっていません。

【一時帰宅 再開】

斉藤慎一朗 記者:「避難者を乗せたバス、立ち入り禁止区域の前に到着した。これから一時帰宅が行われる」

被害を受けた地域で、きょう11日に行われたのは、立ち入り禁止区域に家がある避難者の一時帰宅です。
一時帰宅は7月12日にも行われましたが、規制線を超えて、捜索エリアに立ち入った人がいたため、「安全確保ができない」として、一時中止となっていました。
およそ1ヵ月ぶりに再開された一時帰宅。前回帰ることが出来なかった人を中心に、30分間に制限されて実施されました。今回は安全を確保するため、1グループを前回の3分の1となる5人に減らし、市の職員に加えてボランティアも付き添いました。

一時帰宅した女性:「想像していたまま。ゴミ箱は匂いがするし、布団は敷きっぱなしで、これどうやって片付けようかなという感じ」

また、家に代々伝わる貴重品を持ってきた人も…。

一時帰宅した男性:「貴重品と昔からのもの、他の方には価値がないようなものだと思うが、ずっと代々伝わっているものだから、自分の代で無くすのはダメかなと思って持ってきた」

一時帰宅した住民が撮影した映像です。土石流は、家を丸ごと飲み込み、部屋の隅々にまで土砂が流れ込みました。

1ヵ月ぶりの一時帰宅で、どうしても取りに行きたかったものがあります。

一時帰宅した男性:「(袋から出して見せる)こういう感じで、ずっと30年近くうちにあるもの。どろどろの状況、泥の中に埋まっていて、やっと掘り出してきた。最初からこれだけは、取り出したいと思っていた。個人的に携帯とか財布よりも重要」

自宅から持ち帰ったのは、思い出が詰まったぬいぐるみです。今後は故郷を離れ、熱海市外に住むことも検討しています。

一時帰宅した男性:「行くなら湯河原あたり。横のつながりが全くなくなるのが心配」

避難者の一時帰宅は、きょう11日から3日間行われ、69人が自宅に戻る予定です。

【新たな生活へ】

 一方、これまでと違う環境で生活していくことを決めた人もいます。こちらの男性は、6年前に中国から来日。自宅は土石流に流され家を失いました。

中国からの男性:「これから頑張る 仕事や生活…」

手元に残ったのは、自宅の鍵と財布とスマートフォンのみ。発災から1か月以上が経ち、ようやく新たな住まいを見つけました。9月から、この市営住宅で新たな生活をスタートさせる予定です。

中国からの男性:「市営住宅も、これから住めるので、食事や生活や仕事をどうすればいいか、分からない。若いので頑張ったら何でもできると思う」