【記者中継】土石流災害の百条委で盛り土の現前所有者が証言するも…委員長「参考人と証人尋問では真実が分からない」 静岡・熱海市
静岡県熱海市議会では、去年7月の土石流災害に関する百条委員会が開かれています。取材をしている高橋記者に中継で伝えてもらいます。
「私は無実だ」
高橋諒記者:先ほどまで、こちらでは前の土地所有者の男性が証言していました。
私は熱海市役所に証人尋問に向かう男性に話を聞きました。男性は『私は無実です。盛り土に関与していない。私が崩落した土地を所有していた時は、10年間安定していた』と話していました。
そして、委員会でも冒頭、『今回の災害でお亡くなりになられたご遺族の皆様には、心よりお悔やみ申し上げます』と述べたあと、ハキハキとした声で『当時、盛り土の危険性の認識はなく、10年間の安定が証明していると』などと改めて主張しました。
石田和外アナウンサー:現在の土地所有者はどうだったのでしょうか。
高橋記者:現在の土地所有者は、代理人弁護士の付き添いのもと、本会議場に入りました。この男性は、『盛り土があったこと、それについて何かしなければならないという認識が私にはありませんでした』と証言しています。
今後は…
石田アナ:一つの山場を越えたと言えると思いますが…
高橋記者:はい。ただ、これまでの百条委員会では、当時、盛り土の手続きを
担当していた県と市の現役の職員やOBが参考人に呼ばれましたが、熱海市側のある参考人は『県に積極的に対応してほしかった』と話した一方、県側の参考人は『主体的に対応するのは市と判断した』などと話し、それぞれ責任をなすり付け合っているような印象が色濃く残りました。
石田アナ:今後はどうなる
高橋記者:先ほど百条委員会の稲村千尋委員長が報道陣の取材に応じ、『きょうの参考人と証人尋問では真実が分からない。そういう百条委員会になってしまった』とし、『被災者に申し訳ない』と話しました。しかしながら、百条委は今後も行政対応をメインに、盛り土の手続きなどに問題がなかったかなど、これまでの委員会の内容を改めて精査し、進めていくとしています。しっかりとした被災者の期待に応じることが望まれます。