新たな原告団が排水設備の管理が不十分だった等静岡県と熱海市の責任を問う主張を展開 熱海土石流災害損害賠償訴訟 静岡地裁沼津支部

28人が犠牲となった熱海土石流災害の遺族らが、静岡県や熱海市などに損害賠償を求めている裁判の口頭弁論が静岡地裁沼津支部で開かれ、新たな原告団が雨水の流入を防ぐ措置を取らなかったなどと新たな主張を展開しました。

難波亮太記者:
「新原告団が地裁沼津支部に入ります」

 2021年7月3日に熱海市で発生した土石流災害をめぐっては、遺族や被災者らおよそ120人が、静岡県や熱海市、土地の現旧所有者らを相手取りおよそ70億円億円の損害賠償を求めています。

 しかし、原告団の中で方向性の違いが生まれたことから、およそ10人が分かれて、去年12月新たな原告団を組織しました。

 これまでは争点を整理するための非公開の弁論準備手続きが進められていて、5月に裁判所から年度内に責任論について一定の方向性を固める意向が示されていました。

 10日は公開の法廷で弁論が行われ、新原告団が主張を展開しました。

 新原告団は真相究明に重点を置いていて、10日は盛り土が崩落した現場に向かって大量の雨水が流れ込んだことが原因の一つとしました。

 崩落現場に隣接する土地で排水設備の管理が不十分だったことや、そもそも排水施設が設置されていなかったなどとし、熱海市や県は土地の所有者に対して適切な管理監督を責任を怠ったと主張しました。

 また裁判所側に現地を直接見に行くことも求めました。

 次回は9月4日に弁論準備手続きが行われる予定で、裁判所は今後3回に1回は公開の口頭弁論を開く考えを示しました。