静岡県が緊急事態宣言を要請 川勝知事会見(1)「医療提供態勢は危機的な状況」

●静岡県 川勝平太知事(16日午後0時45分)
 まず、まん延防止措置区域の適用範囲を広げたことと、緊急事態宣言の要請について申し上げる。8月8日以降、まん延防止等重点措置として、県民の皆様には不要不急の外出の自粛、まん延防止等重点区域の飲食店等や大規模集客施設の事業者の皆様には営業時間の短縮等をご協力いただきまして、全県をあげて感染拡大防止策を講じてきました。

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病床占有率60%超…「医療提供態勢は危機的状況」

 しかし、残念ながら県内の1週間の10万人あたりの新規感染者数は毎日のように過去最多を更新しています。15日時点では、県内全域で10万人あたり56.9人となっています。さらに病床占有率も県内全体で60%を超えています。療養者の急激な増加によって、県内の医療提供態勢は危機的な状況となっており、本県は今まさに最も深刻な危機の度合を高めていると言わざるを得ない。

「まん延防止」を川根本町を除く34市町に拡大

 そこで、本日16日、国に対して、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を本県に適用するように要請しました。ただ、緊急事態宣言が適応されるまでには一定程度の時間を要することが考えられます。そこで、目下適用しているまん延防止等重点措置の区域に島田市・掛川市・袋井市・湖西市・御前崎市・菊川市・牧之原市・吉田町・森町の9市町を追加指定することにしました。その結果、川根本町を除く県内34市町が対象になる。

医療機関に「1床でも2床でも受け入れを」

 医療機関にもお願いがあります。ひっ迫する医療提供態勢を維持するために、医療機関の皆様へのお願い2点。

 まず1点目は、これまで陽性患者は重点医療機関等39病院で受けいれられていた。これらの病院での受け入れは、ついに限界にきているので、これまで受け入れをしていなかった病院にも、たとえ1床でも2床でも受け入れお願いしたい。

医療機関に「自宅療養の態勢を支えてほしい」

 2つ目は自宅療養者は1000人を超えた。現在自宅療養態勢の構築に取り組んでいるが、地域の医療機関の皆様におかれましては、積極的に参画いただき支えてください。県としても今後、他県の事例のように入院待機者が増加することは想定されます。一時的な酸素療法を行う、酸素ステーションの設置とか、既存の宿泊療養施設での実施を進める。合わせて重症化を防ぐ効果のある抗体カクテル療法の積極的な導入も医療機関と連携して進めます。