新型コロナウイルス感染者の急増で多忙を極める静岡市保健所の現状 健康観察のための電話は1日1000件近く
林輝彦アナウンサー:
「静岡市の保健所では第7波のころは30人で新型コロナ患者の電話対応に当たっていたそうです。それが全数把握が見直しになり、感染状況も落ち着いたことから、6人にまで人数を減らしたそうなんです。それがここに来て新型コロナの感染状況が悪化しています。今20人にまで人数を増やしているということなんです。新型コロナの状況の悪化はこういった保健所業務のひっ迫からもわかります」
静岡市全域を所管する静岡市保健所。
コロナ患者の届け出様式が変更された後(全数把握→定数把握)、激務だった業務は一部緩和されましたが、第8波での感染者の急増で、入院調整や健康観察の電話などに追われ、再び多忙を極めています。
自宅で療養する患者も増えてきていて、健康観察のためにしなければならない電話は、1日に1000件近く。
委託の看護師や市の職員などを増員し、現在は、20人で業務に当たっています。
静岡市保健所では本来は、医師が行う、患者の発生届「ハーシス」の入力業務も代行し、医師が医療業務に専念できるようしています。
病床がひっ迫する中、保健所長に聞く
静岡市保健所 田中一成 保健所長:
「やはり在宅で届け出となった健康観察であるとか、場合によっては入院調整であるとか、そういったことで、やはり絶対数として患者が増えているので、そういった面では、かなり業務量が増加している。市役所の中から職員の応援をいただいたりとか、あとは外部にいろいろと委託などをしているので、そういったところから人を派遣してもらったりとか、あとは医師会等にもお願いをいたしまして、発熱外来の設置、またドクターサポートという形で在宅の患者さんの健康観察を見ていただく、そういった支援を受けながら、なんとか今もっているという状況です」
第8波で、一時90パーセントを超えた、県中部の病床使用率。
保健所の業務の一つの入院調整も難航しています。
静岡市保健所 田中一成 保健所長:
「病床がひっ迫しているので、やはりどうしても入院が必要な方を医療機関に入ってもらうために、かなり無理を医療機関の方にお願いしているという現状があるので、なかなか1回電話をしただけで、決まることが少なくなってきているので、そういった面では調整に苦労しているのは間違いない」
富士宮市立病院では、16日から、救急患者以外の受け入れについて制限を開始。
実際に、感染拡大は、医療現場に影響を及ぼし始めています。
このような状況で、市民・県民に対して、次のように呼び掛けます。
静岡市保健所 田中一成 保健所長:
「やはり1つは防げる事故、怪我こういったものは、うっかり事故と言いますけれども、こういうものをしないように、いつも以上に注意して頂きたいということ、2つ目は医療機関にいろんな問い合わせがあるそうだが、不要不急の一般的な問い合わせについては保健所の方で受けておりますので、医療機関の方に、そういった問い合わせをするのはできるだけ控えていただきたいと思います。そして3つ目なんですが、やはり現在、非常に病床がひっ迫しておりますので、なかなか1人退院しないと次の人が入れないという状況が続いています。ですから医師の方からもう退院できますよと言われた時は、ぜひ次にその病床を必要としている方に譲っていただきたいと思います」