高齢者のワクチン接種の大きな課題…「集団で免疫つけるのが大事だが…今の制度だとそれができない」 静岡市

根方ゆき乃記者:「浜松市に次いで、高齢者の多い静岡市でもきょう19日からワクチン接種が始まりました。これから入所者に向けて接種が行われます」

静岡市でも高齢者の接種始まる

午後2時。静岡市で初めて高齢者を対象にしたワクチン接種が始まったのは、葵区の瀬名病院です。

画像: 静岡市でも高齢者の接種始まる

「ここに打ちますね。じゃあ打ちます」
「じゃあ、お薬入ります。はい、終わりました。特に変わりない? はい。またなにかあれば言ってくださいね」

 きょうは病院に入院する高齢者36人を対象に接種が行われました。

Q.最初に打ててよかった?

接種した高齢者80代:「はい、打てば効果があると思っていた。チクっとするだけで他の注射と同じ」

Q.緊張した?

接種した高齢者90代:「少しした。(コロナが怖かったので)安心です」

 病院によりますと午後4時時点で、副反応とみられる症状を訴えた人はいないということです。この病院でワクチン接種を予定しているのは、入院患者174人のうち、およそ6割の111人です。

「できるだけ接種して、集団で免疫を付けるのが大事だが…」

病院は当初、患者の家族から同意が得られた157人に対してワクチンを接種する予定でした。しかし、原則として必要になる本人の同意を得ていない人もいたため、改めて本人に意思を確認したところ、46人からは同意が得られなかったということです。

 認知症などで意思疎通が難しい患者もいて、たとえ家族が望んでもワクチンを接種できない現状があると院長は話します。

瀬名病院 小川祐輔院長:「本当は、できるだけ数を接種して集団で免疫を付けていくのが、コロナを封じこめる大事なことだが、今の制度だとそれができない。そこが大きな問題。医療者だけ、家族だけでできることでないので、どこの施設でも同じことを思っていると思う」

 病院は、きょうから3日間で111人の1回目の接種を終え、3週間後に2回目を行う予定です。

浜松市では県内で初めて15日から

県内の高齢者向けワクチン接種は、15日に県内で初めて浜松市の西山病院で始まっています。

 西山病院ではきょうまでに、99人の接種を終え、人数分のワクチンはすでに受け取っていて、万が一ワクチンが余った場合には職員に接種するなど、捨てることのないように用途を考えるとしています。

 残りの282人に対しても順次ワクチンを接種する予定です。現時点で、副反応が出た人はいないということです。