オムツ交換や食事介助…高齢者多い第6波は「ケア度」高く 奮闘するコロナ病棟の看護師 浜松医療センター

静岡県 川勝平太知事:「医療体制についてはきのう(2日)時点で、感染者の病床を614床確保しているが病床使用率は53.4%となっており、国が示すまん延防止等重点措置の解除の目安である50%を上回っている。ギリギリまで数字と格闘しながら決断を延ばしてきた」

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オムツ交換や食事介助…高齢者多い第6波は「ケア度」高く 医療ひっ迫の中で奮闘するコロナ病棟の看護師 浜松医療センター

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 川勝知事が政府にまん延防止措置の再延長を要請した3日。その同じ日、県内のコロナ病棟では、最前線でコロナ患者を支え、医療のひっ迫で苦闘する看護師たちの姿がありました。

浜松医療センター コロナ病棟 看護師
「せ〜の 無理だな 立てない? 立てそうもない? 全介助、患者さんの年齢層が高くなっちゃったんで、介助することが多い。外(の看護師)と連携してやらなきゃいけないので大変です」

 病床使用率が高止まりしている中で、医療現場を取材。私たちが知らなかったコロナ病棟の現状は?

70代以上が半数以上 様々な業務が看護師の負担に

 川勝知事がまん延防止措置の再延長を要請した要因の1つがコロナ患者の病床使用率です。県内の医療状況は?

画像1: 70代以上が半数以上 様々な業務が看護師の負担に

 新型コロナの患者を受け入れる浜松医療センター。レッドゾーンと書かれた扉の向こうにコロナ病床があります。その隣にある部屋がコロナ病棟専用のナースステーションです。

浜松医療センター感染症病棟 和久田淑美看護長:「ナースステーションはグリーンゾーン(清潔区域)になっていて、ナースステーションから見えるガラスの部分はイエローゾーンになっています。中がレッドゾーンなので必ずイエローゾーンとレッドゾーンの出入りは看護師がチェックして感染に注意して対応しています」

画像2: 70代以上が半数以上 様々な業務が看護師の負担に

 コロナ病床の入り口とつながる〝イエローゾーン〝。ガラスの向こう側にあるイエローゾーンは院内感染を防ぐ為に作られた空間。イエローゾーンでの行動はナースステーションにいる看護師が常にチェックをします。

 現在、35のコロナ病床がある浜松医療センター。病床使用率は?

浜松医療センター感染症病棟 和久田淑美看護長:「2月の後半に入院患者数が結構多くて、病床使用率は、一時80%を超える状況。今は少しは減っているが、それでも60%以上は超えているので、ひっ迫している状態は続いている」

 1週間前の入院患者は29人で、病床使用率は83%。患者の年齢は…

浜松医療センター感染症病棟 和久田淑美看護長:「90歳代以上の高齢者が数名いましたし、70歳代以上の高齢者が半数以上を占めていたので日常生活に手のかかる患者がかなり多くいて、その点では少し大変な状況」

 入院患者の半数は高齢者のため、様々な業務が看護師の負担になっていると言います。朝8時半から午後5時までの間は7人の看護師がコロナ患者を対応します。

1人の患者に5人で対応することも

浜松医療センター コロナ病棟看護師
Q.看護師7人で対応できる?
A.「ケア度が高ければちょっと大変なところもありますけど、オムツ交換や食事介助があったりすると。高齢の方が多いのでケア度は高くなっています」

 つきっきりでケアできないのも、コロナ患者を看護する難しさの1つです。 患者の急変に対応するため、病棟にカメラを設置。

 これは、ナースステーションからリアルタイムで見られる病棟の様子です。病室では、高齢者の患者が2人の看護師に介助されていました。高齢者の中には中等症以上の患者もいます。

 イエローゾーンでは、車椅子に乗った高齢患者が病室に移動しようとしています。

浜松医療センター コロナ病棟看護師
「立っていい? さっきみたいに立つ動きをしてもらっていいですか? せ〜の 無理だな 立てない? 立てそうもない?全介助」

 患者は動くことができず、看護師が全面的に介助。ナースステーションにいた看護師を含めると患者1人に対して5人で対応しました。

画像: 1人の患者に5人で対応することも

 コロナ患者だけでなく、医療機器などを病棟に運ぶのも看護師の仕事です。

こちらの看護師は?

浜松医療センター コロナ病棟看護師
「中にいる入院患者の必要物品の買い物。『お茶が欲しい』とか『本が欲しいよとか』。買える物があれば1日1回午後3時に注文を受けている。写真に取り込んで事務の人に買ってきてくださいとお願いをして、それを中の入院患者に届ける。病室は何も無いので外から調達しないといけない。ティッシュとか歯ブラシのセットとか紙コップとか…。1日500円で契約してくれた患者にはこのセットを病院から渡す、契約してない方は個人で持ってきたりとか買い物で買ってきてもらう」

Q.毎回防護服を着る?
A.着ます。何回も多くて…。(1度に)3〜4時間ぐらい中に入っている 中々出てこられない」

 日用品の他に看護師の手には高齢者用のオムツが4袋。

 扉にはこのような張り紙が…。『扉の開閉は足で行う』

浜松医療センター感染症病棟 和久田淑美看護長:「手で開けてしまうと、手が汚染されてしまう。感染を防ぐ意味で足の開閉をしています」

防護服で脱水状態に…水分補給はしっかりと

 また一人、看護師がコロナ病棟へ…

浜松医療センターコロナ病棟 看護師
Q.きょう病床に入るのは何回目?
A.「4〜5回、1回が長い」
Q.第6波については?
A.「大変ですよ。患者さんの年齢層が高くなっちゃったんで、いろいろ介助することが多い」

 ナースステーションからは、防護服を着て動き回る姿が見えました。長い時には3時間以上続きます。

浜松医療センターコロナ病棟 看護師
「防護服がかなり暑いので、脱水状態になる。水分補給をスタッフにはしっかりするように促している」

Q.3時間いないとダメ?

A.「2時間くらいで出てこれたらそれに越したことはない」

 高齢者の看護で業務は倍増。これ以上高齢患者が増えれば医療をよりひっ迫させます。
  
 午後3時半。飲料水など患者からのリクエストの品が到着。1本の水を渡すだけでも多大な労力を費やします。
 
 夕方5時からの夜勤時間では、コロナ病棟の看護師3人に別の病棟の看護師1人が加わる4人体制。第6波が収まるまではこの体制を続けます。

浜松医療センター感染症病棟 和久田淑美看護長:「3回目のワクチン接種がもっと一般に広まってくれると、少し感染が落ち着くのではないかという期待はありますので、そのあたりがもう少し進むといいかなと期待したい」