新型コロナに感染した3歳女児死亡 死因はコロナによるものと思われる『心筋炎の疑い』 20歳以下の死者は静岡県で初めて

 静岡県は28日、新型コロナウイルスに感染した沼津市の3歳の女児が死亡した、と発表しました。基礎疾患(周期性発熱)があったということです。

画像: 新型コロナに感染した3歳女児死亡 死因はコロナによるものと思われる『心筋炎の疑い』 20歳以下の死者は静岡県で初めて

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事
「本日はお子さんの新型コロナウイルス感染症患者の死亡についてご報告申し上げます。県内で441例目の死亡の方となります。年代は3歳、性別は女の子。居住地は沼津市。基礎疾患があるということで、周期性発熱といった基礎疾患といただいています」

 新型コロナ陽性となった、沼津市の3歳の女の子の死亡が発表されました。20歳以下の新型コロナ患者が死亡した事例は県内で初めてです。

 女の子は今月中旬に発熱とせきの症状を発症。発症翌日の検査では陰性でしたが、同居家族は陽性で“みなし陽性”と判定されました。

 その後、保健所の疫学調査や県の自宅療養者向け相談窓口などを通じて、毎日、保護者と経過観察を行っていたということです。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事
「発症6日目の未明に処方してもらった吐き止めの座薬を使って5分から10分後に、ぐったりした感じになり、目の焦点が合わなくなって、呼吸が感じられないということで、救急車を要請しています。救急車により病院へ搬送されまして、搬送途中で心肺停止状態になったと聞いています。病院で可及的速やかに医療措置が実施されましたけれども、蘇生反応がなく、蘇生が出来ず、死亡確認となっています。死亡後の全身CT検査で、異常は、CT画像上は見られず、肺炎像もなかったということです。死亡後のPCR検査で、このお子さんのコロナ陽性が判明しています」

 女の子には「周期性発熱」の基礎疾患がありました。定期的に数日間の発熱症状が出るもので、今回は「周期性発熱」とは関係のないタイミングで発熱したということです。

 基礎疾患と亡くなったことの因果関係については―

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事
「周期性発熱という熱が繰り返し周期的に出る病気と、今回の死亡についての因果関係は分かっておりません」

 県によりますと、保護者の同意に基づいて、女の子が死亡した原因を究明する調査は現在も続けられているということです。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事:「まだ完全な結果が出ていない。中間的な状況では、(死因は)心筋炎の疑いがあるという状況になっています。それ以外の臓器については所見がなかったということで、現時点で急性心筋炎、経過がかなり早いですので、激烈に症状が進む劇症型の心筋炎ではないかと、ここは私の判断ですが、思っています」

 急性心筋炎は早期の診断が難しい、珍しい疾患だといいます。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事
「子ども以外にも10代から若い成人、特に男性にコロナウイルスに感染して、心筋炎を起こすことは知られていますし、それ以外の年代でもお子さんや高齢者に至るまで、心筋炎を新型コロナウイルスは起こし得ると、起こす力があると考えていますが、非常に稀ではないかと考えています」

Q.コロナの合併症として心筋炎というのは報告されていて、コロナウイルスにかかったことによって心筋炎にかかってしまった。つまり、因果関係がある可能性も否定はできない?

A.「心筋炎を起こすウイルスというのは、新型コロナウイルス以外にも様々なウイルスがございます。現時点では新型コロナウイルスによると思われる急性心筋炎の疑いと正確には表現させていただきたい。まだ完全には確定していないことをご注意いただきたい」

Q.(心筋炎を)合併症として起こす場合、基礎疾患の有無は関わるものでしょうか?

A.「そこはまだはっきり分かっていないと思いますけれども、おそらくすごく頻度は少ない。新型コロナウイルスの感染によって心筋炎をきたすのは、頻度はすごく少ないと思います」