「入院できても患者をケアできない」事態も 濃厚接触者が増え医療従事者が休業 さらに…静岡県病院協会会長「影響は医療だけでない」

 12日の全国知事会では、現在、14日間とされている濃厚接触者の隔離期間について、地域の感染状況や医療体制に応じて短縮できるよう求める声が相次ぎました。

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 12日の新規感染者が1644人確認された沖縄では、1月11日現在の時点で、過去最多の628人の医療従事者が休業を余儀なくされているといいます。

沖縄は対岸の火事でない

 こうした沖縄のような事態が、静岡県の医療機関でも起こる危険性があると訴えたのが、静岡県病院協会の毛利会長です。

静岡県病院協会 毛利博会長(12日):「入院できる病院があっても、患者さんをケアできる人材が不足するといったことになる。今、沖縄で起きていることが静岡県でも起きる可能性があって、これは対岸の火事ではないので、国の方で議論して早くその期間を短くして、抗原検査をして陰性ならばマスクしっかりして仕事につくだとか、柔軟な対応が必要になってくると思う」

 政府は、医療従事者については、濃厚接触者となった場合でも隔離の対象とせず、毎日検査を行い、陰性であれば勤務することができるという見解を示しました。

 これについて、毛利会長は…。

静岡県病院協会 毛利博会長(13日):「医療体制を維持していくということについては、今回の政府の決定は静岡県としては歓迎したい」

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藤枝市立総合病院は面会を原則禁止に

 県病院協会の毛利会長は、藤枝市立総合病院の代表者でもあります。藤枝市立総合病院では、12日から入院患者への面会を原則禁止しました。

画像: 藤枝市立総合病院は面会を原則禁止に

 病院では去年11月から制限付きで面会を再開していましたが、オミクロン株の急拡大を受け、医師が必要と判断した人以外は、再び禁止としました。

静岡県病院協会 毛利博会長(13日):「オミクロン株は非常に感染性が強い。病原性が非常に弱いので、要するに発症しないでウイルスを持っている方がおられる。それで病院の中にどんどん入って来られると、院内感染となり、今度は診療ができなくなるという懸念がある」

患者は

 こうした対応に藤枝市立総合病院に通院する患者は。

通院している市民
「コロナがあるから、ある程度制限されるのは仕方ない」

通院している市民
「私も9月末に入院して面会禁止と言われて、家族に会えなくてすごくさみしくて。電話で手術前にがんばってね、と声かけしてもらうしかできなくて。涙したりもありました」

Q.沖縄で感染が拡がり医療従事者が出勤できない、静岡での懸念は?

A.「なるべくそうならないよう対策してほしい」

毛利会長「問題は医療機関だけではない」

 毛利会長は、今後、1日の新規感染者が最悪の場合、静岡県でも1000人を超える可能性に言及したうえで、問題は医療機関だけではないと指摘しました。

静岡県病院協会 毛利博会長(13日):「今、欧米で起きているような地下鉄が止まったり、飛行機が止まったり、物流が完全に止まってスーパーに何も物がないという事態に起こる可能性は十分ある。今回は病院への負担よりも社会の負担が非常に大きくなると思う。経済がひっくりかえってしまう。今回のオミクロン株については、やはりウイルスが排出する期間も3日間とか4日間と言われていますので、それに相応して(濃厚接触者の)隔離期間も短くしていかないといけない」

川勝知事「科学的な知見に基づいて見直しを」

 12日の全国知事会に出席した川勝知事も社会機能を維持するため、濃厚接触者の隔離期間などの見直しを求めました。

画像: 川勝知事「科学的な知見に基づいて見直しを」

静岡県 川勝平太知事(12日):「オミクロンの実情に応じたかたちでしなくてはいけない。国をあげてオミクロンにふさわしい対処・施策をとることがまず求められる。見直しはきちんと科学的な知見に基づかなければならない。WHOのトップがヨーロッパはあと一週間そこそこで2人のうち1人がオミクロンに感染する可能性があるとまで言ってるわけですね、ですから従来のデルタ株とは少し性質が違うということ」