医療機関に「サイバー攻撃」…電子カルテが起動せず 英語で金銭要求するメッセージ /今週の静岡
「暗号化したデータを解いてほしければ、金銭を支払う必要がある」
被害に遭った医療機関が、ホームページに掲載した「お知らせ」には、そこには「ランサムウェアの攻撃により、診療記録や予約情報が暗号化されてしまった」と記載されています。
その原因が…。「サイバー攻撃」
この医療機関を襲ったのは、「ランサムウェア」と呼ばれるコンピューターウイルス。このウイルスに感染すると、パソコンに保存されたデータなどが勝手に加工されてしまい、元の状態に戻すことが難しくなってしまいます。さらに、「戻してほしいなら金銭を支払え」と要求されることも特徴の1つです。
この電子カルテには、少なくとも、患者2000人のデータが保存されていました。ただ、これまでに個人情報の流出は、確認されていないということです。パソコンの画面に現れた英語のメッセージには、連絡を求めるアドレスも記載されていましたが、医療機関側は、連絡も、支払いもしていないということです。
また、警察や厚生労働省に被害を報告し、紙のカルテを使うなどして、通常通りの診察を行っていくということです。静岡県によると、今年に入り、県内の医療機関でサイバー攻撃による被害は、今回が初めてだということです。
各地で被害を確認
実は、こうした被害は、静岡だけではありません。10月31日には、大阪府にある、大阪急性期総合医療センターで「ランサムウェア」によるサイバー攻撃を受け、電子カルテが閲覧できなくなりました。これにより、10日間、通常診療ができない状況でしたが、10日からは、電子カルテの一部が利用できるようになったということです。
また、去年10月には、徳島県の病院でも、サイバー攻撃で、電子カルテのシステムが使えなくなり、完全復旧までおよそ3カ月を要しました。
街では「不安の声」
生活に身近な、医療機関という場所で起きたコンピューターウイルス被害。個人情報を扱っているため、不安の声も聞こえてきます…。
(新潟県)50代:「カルテが見られなくなるということは、それ以前にどんな治療をしたのか、どんな薬を処方したかもわからなくなると思うので、主人は糖尿病を持っていて、ずっと薬を9種類も10種類も飲んでいるので、以前のことがわからないと大変」
(焼津市)60代:「長年かかっている病院もいくつかあるので一から説明したり、病気の経過を先生がわからなくなると戸惑いが出てくる。
Q.不審なメールが届くことは?
A.来ます。一切関係ないものについては見ないようにしているし、シャットアウトしている。
【映像では解説があります】 (11月12日放送)