新型コロナ感染拡大の影響で救急車の出動要請が急増 熱中症も影響し”救急搬送の困難事案”が発生
(着信音)「はい119番消防です。火事ですか、救急ですか 今意識あります?その方。出します!いま救急車をそちらに向けましたので…」
消防司令センターの通報は通常時の1.5倍 救急車の稼働率は95%に
静岡市や島田市など、5つの市や町の全ての119番通報に対応している、静岡市消防局の消防指令センター。
1分1秒を争う救急の現場を取り巻く状況は深刻です。
職員
「そちらでコロナの陽性者ということでお間違いないでしょうか 現在の症状を教えてください 熱、何度出ていますか、7度9分」
「コロナ陽性者の情報、これから指令かけるので準備しといてください」
殺到する救急車の出動要請。
1日の対応件数は第7波の拡大前までは100件ほどでしたが、先月からその数が増加し、現在は通常時のおよそ1.5倍の通報があるといいます。
西尾梓アナ
(着信音)「手前の8番のランプに加えて、奥の7番のランプも光りました。立て続けに通報が入っている状況です」
こちらのモニターに表示されているのは、静岡市内の消防署にある救急車の運行状況。白と緑はすぐに出動できる状態を表し、黄色や赤は準備中や患者の搬送中など、今は出動できない状態を示しています。
静岡市内で日常的に稼働させている救急車は18台。しかし、現在はその台数では対応しきれず、非常用の救急車5台を追加で運用。23台全てをフル稼働させ、その稼働率は95%を超えているといいます。それでも対応しきれず、近隣の市や町から応援を向かわせることもあるそうです。
さらに、救急車の出動を増やす一因となっているのが…
静岡市消防局指令課 濱田絵南 消防士長
「熱中症になって道路に倒れているとか、運動中に倒れましたという通報が現在入ってくることが多くある」
この夏の酷暑による熱中症の通報です。
静岡市消防局救急課 白鳥高浩 消防司令長
「すぐに救急車が向かえない場合は近くに消防車・ポンプ隊がいるので、そのポンプ隊に応急手当、救命手当を救急隊が来るまでやってもらう形を取っている」
また、救急車が患者のもとに到着しても搬送先の病院が決まらない、いわゆる“救急搬送の困難事案”が静岡市消防の管内だけで先月は16件起きています。
静岡市消防局救急課 白鳥高浩 消防司令長
「救急隊は要請されれば必ず皆様のところへ駆けつけて全力でサポートさせていただきますので(新型コロナで)どうしても息苦しくて動けないよということであれば、すぐに119番をしていただければなと。そうでもないよ、少し自分でも我慢できそうだよということであれば、静岡市・浜松市にも発熱相談センターもあるので、まずはそこで相談してほしい」