生後数日の赤ちゃんが焼かれ…捜査を難しくする“現場の環境”とは 静岡・沼津市
「赤ちゃんの遺体があった。燃やされている」
現場は釣り人にも人気のスポット
現場は沼津市の千本浜海岸。沼津港にほど近く、釣り人にも人気の場所です。
林輝彦アナウンサー(5月27日):「遺体があった場所はあちらのブルーシートが掛けられている場所です。現在鑑識作業が進められています」
赤ちゃんの遺体が見つかったのは波打ち際近く。周りには流木などが散乱していました。
付近にいた男性(5月27日):「煙は見えない。炎が見えているのが分かった」
Q.火を見た時の違和感は何かあった?
A.「最初はなかった。あまりそういうようなことはあり得ない場所だから、ここ」
赤ちゃんは生後数日、数時間焼かれたか
警察の司法解剖の結果、赤ちゃんは生後数日程度の女の子だったということが判明。ところが、死因は特定できなかったといいます。
捜査関係者によると、遺体は顔や体が焼かれ、一部が炭化。ガソリンなどを使った形跡は見当たらず、近くに落ちていた流木を使って焼いたと見られています。
通報した人を見た人:「午前7時ごろ警察が来て、事情聴取されて、見たら煙が出ていたので、ぼやで通報して警察が来たんだなって自分は思った。そうしたら後からぞろぞろ警察が鑑識も来たり、がやがやし出して、ただ事ではないなと思って」
目撃情報などから、赤ちゃんは5月27日の未明から数時間焼かれていたと見られることがわかりました。事件発覚後から行われた警察による鑑識作業。現場はビニールシートで覆われ、中を伺うことはできませんでしたが…。
林アナ(5月27日):「県警の捜査員が長い袋のようなものを持って出てきました。遺留品が入っているものとみられます」
遺体の状況から死産の可能性は低く、警察は何者かが別の場所で数日前に生まれた赤ちゃんを海岸に運び、火をつけた可能性もあるとみて調べています。
捜査を難しくする“現場の環境”
残忍な犯行が行われた、今回の事件。発覚から5日経った今も、検挙には至っていません。その理由の1つとして考えられるのが“現場の環境”です。
白鳥衛記者(1日):「あちらが赤ちゃんの遺体が発見された現場です。周りを見渡してみると、建物はなく、防犯カメラのようなものも見当たりません。当日は休日だったこともあり、朝方から釣り人もいたようですが、人の目は多くないのが実態です」
一方で、遺体が焼かれた現場は海岸。途中まで自動車に乗って来たと仮定しても、最寄りの駐車場からはそれなりの時間歩くことになります。
白鳥衛記者:「海に遊びに来る人や釣り人が一般的に車をとめる場所がこちらの場所です。遺体が見つかった現場まで、どれくらいの時間がかかるのでしょうか」
駐車場から海岸沿いの堤防を歩いていくと…。
白鳥衛記者(1日):「この坂から海岸へ降りていきます。スニーカーを履いていてもかなり足が取られてしまうほど歩きづらいです」
「現場につきました。駐車場から私の足でおよそ9分でした。体重が軽いとはいえ、赤ちゃんをここまで連れて来たとすると、体力を消耗することも考えられます」
現場から200mほど離れた場所は学校や住宅街が密集するエリア。閑静な地域で起きた事件に住民も不安の色を隠せません。
通行人(5月27日):「(普段は)散歩している人が多くて、のどかでいいところだと思っているので、その(事件の)話を聞いてすごくびっくりしている。
なぜ、赤ちゃんは海岸で見つかったのか? 警察は身元の特定を急ぐなど、捜査を進めています。