観光バス横転事故 運転手を処分保留で釈放 エンジンブレーキも利かなかったか
静岡県小山町で観光バスが横転し27人が死傷した事故で、バスは制限速度の3倍にあたる時速90キロでのり面に乗り上げたことが新たに分かりました。また地検沼津支部は、運転手を処分保留で釈放しました。
10月13日小山町須走の県道で観光バスが横転し1人が死亡、26人が重軽傷を負いました。警察によりますと、バスは制限速度の3倍にあたる時速およそ90キロでのり面に乗り上げ、横転したことが新たに分かりました。
警察がバス会社から押収したドライブレコーダーには走行速度が表示され、衝突時にデジタルタコグラフに記録されていた速度とほぼ一致していたことから明らかになったということです。
地検沼津支部は2日、運転手の男性を処分保留で釈放しました。今後も捜査は継続するということです。
運転手はこれまでの調べに対し「ブレーキが利かなかった」と話していて、検証ではブレーキ周りの部品に焼けた痕があったことから、フットブレーキの使い過ぎでブレーキが利かなくなる「フェード現象」が発生し、事故が起きたとみられることが分かっています。
また運転席周辺を映したドライブレコーダーに、運転手が事故前にサイドブレーキをかけている様子が映っていたことが新たに明らかになり、警察はこの時すでにフェード現象が起きていたとみています。
一方、シフトレバーは事故後にニュートラルに入っていたことから、警察は何らかの理由で速度を抑える低速ギアに切り替えられずエンジンブレーキも利かなかった可能性があるとみて、事故のさらに詳しい状況を調べています。