神社の祭りの山車が横転し男性1人死亡18人けが 下り坂でバランスを崩したか 静岡・伊豆の国市
3日朝静岡県伊豆の国市で、地元神社の祭りの山車が横転し、男性1人が死亡しました。下り坂で勢いがつき止まり切れなかったものとみられています。
道路に横たわっているのは、祭りで使われる“山車”。
右側には太鼓や装飾品がバラバラに投げ出され、その衝撃の強さを物語っています。
3日朝伊豆の国市で祭りの山車が横転し、19人が病院に搬送されました。
この事故で、伊豆の国市田京の男性(72)が死亡しました。
白鳥衛記者:
「横転事故のあった現場です。現場は緩やかな下り坂になっていて、現在、奥の横転した山車の前では警察が現場の状況を確認するなど、捜査を進めています。」
事故があったのは、伊豆の国市三福の住宅街を越えた川沿いの道路。
3日午前8時45分ごろ、近くにいた男性から「高さ3mの山車が転倒して人が落ちた」と消防に通報がありました。
当時、現場では、伊豆の国市最大の秋祭りとされる廣瀬神社の例大祭が行われていました。
周辺では6つの地区から山車が練り歩き、事故を起こした山車は出発地点から廣瀬神社へと向かう途中でした。
横転した山車は人力で引いて動かすもので、上部には人が10人以上乗れる構造となっています。
事故当時も、おはやしの人など複数人が上部に乗っていたとみられ、山車は緩やかな下り坂で止まらなくなったとみられています。
けが人の中には小学校低学年の男の子もいましたが、軽傷だということです。
一体なぜ、今回の事故が起きてしまったのでしょうか。
山車を先導していたという交通指導員は…。
山車を先導していた交通指導員:
「橋を渡って川沿いに下る坂がある。本来ならそこで止まって、態勢を入れ替えて、それから後ろに縄を引っ張って、降りる。多分その辺(態勢の入れ替え)を怠ったもので、そのまま流れで(止まらずに)行っちゃったのかなと。私も過去3回ぐらい立ち会っているが、(橋を)左に曲がって左に曲がる、その手前で一旦態勢を整えて降りるというのが通例。その辺がちょっと甘かったのかなと。」
今回の祭りでは、午前8時に地区の公民館を出発し、8時45分ごろに横転現場付近の橋を渡り、左に坂を下るルートが設定されていました。
先導していた指導員によると、通常坂の手前で一旦止まって態勢を整えるところ、今回は、橋を渡っても、そのまま止まらずに坂に侵入したということです。
山車を先導していた交通指導員:
「左にカーブを切って、それから右に行っている。タイヤ痕を見ると。多分をハンドルを、右に行ったから、向こうは崖なので切り返したと思う。はっきりはわからないが、切り返した時に、山車が振られた時に、バランスを崩したのではと。タイヤ痕を見るとそのような感じ」
事故を見ていた近隣住民からも同様の話が…。
近隣住民
「普段なら道を上に曲がっていく。そして上の部落でUターンして下ってきて、橋の向こう側を下っていく。ただ今回は橋を渡っていきなり左折し、坂を下りて行こうとしていた。そこで一気に山車が下って行っちゃって5mぐらい先で横転した。2~3分後に行ったときには、山車の横で一人が心肺蘇生(をしていた)。多分その人は、40分(蘇生をやったが)ダメだった。」
また、他の近隣住民からは、事故直後の騒然とした状況が聞こえてきました。
Q周りの様子はどんな感じだった?
近隣住民:
「もうすごかった。ひっきりなしに救急車が行ったり来たり、パトカーも来たりで。」
Qこういった事故はこれまでに聞いたことは?
「山車が倒れるというのは聞いたことがない」
近隣住民:
「自分は少し(事故を)見ていたが、本当にグラっと山車が倒れた形。その後すぐ救急車と警察車両が来て、これはちょっと大ごとだと、大丈夫かなと見ていた。」
廣瀬神社によると事故を受け、午後から今年のまつりは中止にしたということです。
多数のけが人を出し、1人が死亡した、今回の事故。
横転した山車を所有している地区の区長は…。
伊豆の国市田京地区 石井厳雄 区長:
「ケガの状況もわからずとにかく情報収集ということで、副区長たちに(現場に)行ってもらった。(祭りが)4年ぶりで、結構期待があったと思う。本当に、ちょっとしたことが重なった(事故)だと私は思っている。」
警察は今後、詳しい事故の状況や原因を調べるとしています。