女子中学生を誘拐、自殺をほう助した男に執行猶予判決 誘拐の事実認定も自殺の中止を提案 静岡地裁浜松支部
浜松市で女子中学生を誘拐した上、自殺を手助けした罪に問われた男に地裁浜松支部は執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
判決によりますと、福岡市東区の無職の男(33)は3月、当時中学3年生の匂坂絢乃さん(15)をSNSなどを使って浜松市内のコンビニに呼び出しレンタカーで連れ去った上、天竜区のキャンプ場で自身の用意した睡眠薬と練炭を使い匂坂さんの自殺を手助けしました。
これまでの裁判で弁護側は、自殺のほう助は認める一方、「被害者に強固な自殺願望があり、場所や自殺方法も被害者が指定した」などと誘拐について無罪を主張していました。
17日の判決公判で地裁浜松支部の大村泰平裁判長は。
判決文読み上げ:「被害者は浜松で練炭自殺をしたいという願望を持っていたが具体的な計画は立てていなかった」「被告人の一連の言動が被害者のの決意に重大な影響を及ぼし、誘拐したと認められる」
被告人が七輪や睡眠薬を用意し自殺の計画を具体的に立てたことなどが被害者の決意に重大な影響を及ぼしたとして誘拐の事実を認定しました。
一方で、被告が事件前に「しつこいですが本当に大丈夫ですか」などと集団自殺の中止を提案していたことから、懲役3年の求刑に対し、懲役3年・執行猶予5年の判決を言い渡しました。
事件をめぐっては匂坂さんが中学校でいじめを受けていたと両親が公表しています。判決を受け、両親は次のようにコメントしています。
両親のコメント:
「この方の存在がなければ、絢乃はまだ生きていてくれたのではないかと今でも考えない日はございません」
「与えられた刑罰が抑止力となり今後も同様の事件が少しでも防げれば絢乃の死も無駄にならないのではないか。辛いですがそう考えたりもします」
「被告には自身の犯した罪に一生、向き合っていただきたいと願います」