静清バイパス高架化工事現場で橋桁が落下作業員2人が死亡6人重軽傷 警察は業務上過失致死傷の疑いで捜査 静岡市清水区

6日未明、静岡市清水区の国道1号バイパスの高架化の工事現場で橋げたが落下し、作業員ら8人が巻き込まれ、2人が死亡、6人が重軽傷を負いました。

画像1: 静清バイパス高架化工事現場で橋桁が落下作業員2人が死亡6人重軽傷 警察は業務上過失致死傷の疑いで捜査 静岡市清水区

近隣住民:
「夜中の3時くらいにすごい聞いたことがないような音がして、「挟まっている」「挟まっている」という声も聞こえたので」

 まだ、空が薄暗い中、辺りを赤く染める救急車の列。
 
 その先に見えたのは…

画像2: 静清バイパス高架化工事現場で橋桁が落下作業員2人が死亡6人重軽傷 警察は業務上過失致死傷の疑いで捜査 静岡市清水区

 人の背丈よりも大きな“鉄の塊”です。

 地面に横たわるその脇には、周りを覆っていたとみられる部分も剥がれ落ち、その衝撃の大きさを物語っています。

 一体、何が…

画像3: 静清バイパス高架化工事現場で橋桁が落下作業員2人が死亡6人重軽傷 警察は業務上過失致死傷の疑いで捜査 静岡市清水区

下山剛史カメラマン:午前8時ころ
「清水区上空です。バイパスの高架化工事に伴う橋げたが地面に落下して、大きくひしゃげています。長さはおよそ50mほどあるのでしょうか。道路にくいこんでいます」

 事故があったのは、静岡市清水区の清水ジャンクションから近い国道1号・静清バイパスの工事現場。

 午前3時過ぎ、「工事現場の足場が崩れた。けが人がいる」と
消防に通報がありました。

画像4: 静清バイパス高架化工事現場で橋桁が落下作業員2人が死亡6人重軽傷 警察は業務上過失致死傷の疑いで捜査 静岡市清水区

 この場所では2016年から高架化工事が行われていて、
当時、橋脚に乗っていた「橋げた」をジャッキを使って横にずらし、橋脚部分にはめ込む作業が行われていました。

 ところが、何らかの理由で「橋げた」が道路に落下しました。

 落ちた鉄骨は、長さ65m。

 重さはおよそ140トンにも及ぶということです。

 警察や消防によると、この事故で現場で作業にあたっていた8人が巻き込まれ、作業員の2人の死亡が確認されました。

 また、他にも30代から70代の6人が重軽傷を負いました。

画像5: 静清バイパス高架化工事現場で橋桁が落下作業員2人が死亡6人重軽傷 警察は業務上過失致死傷の疑いで捜査 静岡市清水区

未明に大きな音

伊地健治アナウンサー:午前9時ごろ
「事故があった現場は、東名高速道路清水ジャンクションの南側です。国道1号静清バイパスの高架化事業の工事が行われている現場です。こちら高架化している道路がみえるが、そのすぐ横、高架化する道路を支える巨大な部材が下に落ちているのが分かります。2車線の道路そして歩道をふさぐように巨大な鋼材が落ちているのが分かります。橋脚に取り付けられている足場の手すりなどが壊れている様子が分かります。そしてその横に下に横たわっているのが、この高架化の道路を支える部分です。すぐ横には住宅があります。落ちた部分が少しでもずれていたら住宅にも被害があったかもしれません。」

 静岡県の主要道路の1つである国道1号バイパスで起きた事故。

画像1: 未明に大きな音

 午前9時すぎには、警察や消防の車が次々と到着。

 警察や工事関係者などが現場を確認する様子や、ドローンを使って調査する様子もありました。

伊地健治アナウンサー: 午前9時ごろ
「現在午前9時44分です。落下した橋げたの下にまだ人がいる可能性があるということなんでしょうか。ヘルメットをかぶり制服を着た複数の人たちが橋げたの下をのぞき込むようにしています。」

 2人が死亡し、6人がけがをした今回の事故。

 近隣の住民は、未明に“大きな音”を聞いたといいます…。

静清バイパス沿いの住民(30代): 
「夜中の3時くらいにすごい聞いたことのないような音がして、作業員の「はさまっている」というような声も聞こえたので、ちょっと怖かった。すごい大地震かと思うぐらいの音だった。」

画像2: 未明に大きな音

現場から100mほどの場所の住民(80代):
「ドーンて音がして、そんな長い音じゃないけど、ドーンって。ドーンて揺れた。どこかで落っこちたなというのは分かった。ここが移動するというのは、(橋げたが)出来上がったから、こっちに移動するってなってたから、あそこだなと思った。」

 こちらは現場近くの河川カメラの写真です。

 画面上部に映る光が事故のあった工事現場とみられます。

 事故が起きる前の午前3時までは、画面の端まで光が確認できますが、10分後、午前3時10分の写真を見てみると・・・一部分だけ光が無くなっています。

画像3: 未明に大きな音

 つまり、この10分間の間に事故は起きたと見られています。

 静清バイパスでは交通渋滞の解消などを目的に唯一の平面区間である東名清水IC付近2.4kmの高架化を進めています。

 今回事故があった区間では夜間の対面通行規制が行われていて、道路を走る一般車両に被害はありませんでした。

 高架化事業をめぐっては、3年後の2026年春ごろに上り線が開通する見通しとなっていましたが、今回の事故によって、計画への影響も懸念されています。

画像4: 未明に大きな音

元工事関係者は

 番組では、この「高架化」に携わったことのある元工事関係者に事故現場で話を聞くことができました。

画像1: 元工事関係者は

元工事関係者:
「固定するものがないような状況だと思う。今見ると、ズレ止めとか。足場とかはちゃんとしているので、問題はないと思うが、
ズレ落ち防止のものがちょっと見受けられないという気がする。
もし万が一があった場合、引っ張ったりするワイヤーなどがないのでただ本当にすとんと落ちたような状況。」

元工事関係者: 移動して…
「本来、今目の前にある橋梁と同じ形になる予定だったと思うが、今右側(事故の起きた方)は、現状としては橋桁が落ちてしまったというところで、今、作業の関係で下に支保工という足場がもう取られている状況だが、反対側(事故の起きた方)は本来あるべき支保工が残されてなくて、支えるものがなくて落ちてしまったんじゃないかという気もします。」

画像2: 元工事関係者は

 なぜ事故は起きてしまったのか?

 警察は現場で見分をおこなっていて、業務上過失致死傷の疑いで捜査をしています。