静岡・熱海市の土石流発生から4日目 発生から72時間経過も懸命の捜索活動が続く

土石流の発生から4日目の熱海市伊豆山地区

片山真人アナウンサー 空撮リポ(午前)
「きょうも懸命の捜索活動が続いています、その範囲を広がっています。ただ、まだ依然として上空からも確認できますが、起点の部分から水は流れています、この水も捜索活動、救助作業を妨げる一因となっています」

佐藤江里子記者
「現場ではきょうも午前6時ごろから捜索活動が続いています。こちらでは体についてしまった泥が重く作業の妨げになってしまうため、洗い流してからまた現場に戻られるそうです。こうした作業を繰り返し行っていると言います。」

石塚翔記者
「被害が大きく出た地域では、このように一軒一軒避難済みであるという印がつけられています。自衛隊などの救助隊は被害があった間際の家まで救助活動を行っています。」

画像: 土石流の発生から4日目の熱海市伊豆山地区

捜索作業が一時中断…

依然、大量の土砂が広がる現場。捜索は一歩ずつ着実に進められていましたが…。

「退避!退避!退避!」

林輝彦アナウンサー
「いま自衛隊の退避という声と共に救助隊員が一斉に退避しています。山の上で作業をしていた自衛隊から『上流で流れる水が濁っていて危険』との報告があり、作業が一時中断に」

 新たな土砂崩れはありませんでしたが、この影響で新幹線も安全確保のため、上下線で最大一時間ほど運転を見合わせました。

画像: 捜索作業が一時中断…

妻を探しに現場に足を運ぶ男性

宮崎玲衣アナウンサー(午前10時半ごろ)
「土石流の発生から丸3日、生存確率が下がると言われている72時間が経ちました。今も現場では懸命な捜索活動が続いています。

 きょうも現場を訪れた男性(71)。妻の安否がわからなくなっています。知人の安否を確認しようと15分ほど家を空けた間に自宅が土石流に襲われました。妻を探すために毎日、現場に足を運んでいます。

妻が行方不明の男性(71)*おととい
「11時25分に不在着信が来ている。で、25分、26分、32分、42分…。どこかに生きてくれっていう淡い望みはあるんですね、今でもある」

Q:今日も中に行くんですか
男性:「中に入る」

きょうも、長靴を履いて土石流が起こった自宅付近の現場へ向かいました。

献花に訪れる人も

一方、午前11時半ごろ、土砂が流れ込んだ逢初橋(あいぞめばし)の現場には花を持った人の姿が。

献花に訪れた女性
「いつもしょっちゅう来ていたものなので、ちょっとお花をと思って持ってきた。知り合いは何人もいる、お店の人とか。

Q(土石流の発生から)72時間以上経とうとしているが?

献花に訪れた女性
「はっきりまだなんとも言えないでしょ、なんかね…」

 熱海によく訪れていたというこちらの2人は、土石流によって亡くなった人たちへ家の紫陽花を献花しようと神奈川県から訪れていました。

献花に訪れた男性
「すいません、これだけ、お見舞い。我々入れないから。」

 規制線の中には入れないため、遠くから声をかけます。その後、警察官は献花に訪れた人たちへ深々と頭を下げていました。

画像: 献花に訪れる人も

援助隊の思いとは

この現場では午後3時半、ブルーシートが広げられました。

 救助活動を続ける援助隊は…。

警視庁広域緊急援助隊
柴田警視
「現在も一丸となってたくさんの方を助けたいという思いで活動。72時間で区切ることはせず、人命救助をしていく」

広がる支援の輪

また、避難者が身を寄せるホテルの向かいの美容室では、こんな支援の輪も。

おしゃれ美容室 船戸晶子さん
「髪の毛をやれば気分も少し落ち着いてもらえるかなと思って、なるべくならひとつでも役に立ちたいと思って」

 こちらの美容室では、避難者を対象に無料で髪の毛を洗うサービスをきょうから始めました。

一方で・・・。

藤井章人記者
「高齢者をグループホームに移動させています」

 避難所のホテルには災害派遣福祉チームDWATが入り、高齢者の支援にあたっています。避難の期間が見通せない中で、体と心のケアも一層必要となっています。

画像: 広がる支援の輪